ビジネス

成長率+44%  世界のリテール市場を牽引する日本市場

2025年12月23日、欧州のアパレルおよびフットウェア市場が停滞から抜け出せずにいる中、日本は経済的な例外としての地位を確立している。大手ファッション・グループの戦略的優先順位を再定義するほどの、この市場ブームを分析する。 鍵となる数字は+44%。これは2025年、日本の「アクセサリーおよびフットウェア」部門で記録された驚異的な成長率である。最新のWorld Footwear Business Conditions Surveyレポートで詳述されたこの業績により、日本は他のG7諸国を大きく引き離す存在となった。 では、この日本の驚異的な成長を牽引する力は何であろうか。欧米の経済状況との乖離を説明する上で、2つの主要な要因が浮かび上がる。 日本の驚異的な成長を支える2つの原動力 金融裁...

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人物

プラダのロレンツォ・ベルテッリ氏の語るAI時代 「自動化によって、職人の価値が高まる」

イタリア、フィレンツェ近郊のスカンディッチ発。「テクノロジーとAIは、我々に効率性をもたらし、高付加価値の仕事に時間を割くことを可能にするだろう」。プラダ・グループのチーフ・マーケティング・オフィサー兼CSR責任者であり、次期CEOでもあるロレンツォ・ベルテッリ氏はそう述べた。ベルテッリ氏は11月、現CEOのアンドレア・グエッラ氏と共にスカンディッチを訪れ、プラダ・アカデミー・グループの設立25周年を祝った。また、ベルテッリ氏はスカンディッチ工場の職人であり、レザーグッズのスペシャリストであるフランチェスカ・レットーリ氏およびレオナルド・ネージ氏と長時間にわたり対談した。 ロレンツォ・ベルテッリ氏:「AIは短期的な混乱を招くが、長期的には楽観視している」 ベルテッリ氏は、ファッション業...

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ファッション

タイムリー、そしてタイムレス:新旧ミドルブランドに触れて、日本の服飾文化を学ぶ

日本の中価格帯のブランドは、この大量生産大量消費、SNSによるステータス誇示が当たり前になった現代のファッションに一石を投じる。なぜならこのようなブランドは “上質で控えめ、そしていまどき”を体現しているからだ。 その反面、かつて日本の衣料市場の中心だったミドルブランドは、1990年代以降、安価な輸入服やファストファッションの台頭によって主役の座を譲ることになる。しかし現在、その存在意義があらためて見直されつつある。価格の安さや派手さよりも、品質や長く使える価値を重視する消費者が増えているからだ。 BeamsやUnited Arrowsといったミドルブランドとは、商品の平均単価が1.5万円から5万円ほどの、高級ブランドよりは安く、ローブランドよりは高い価格帯のアイテムを展開しているブラ...

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カルチャー

男性着物が表す "日本的エレガンス" ベネチアにて展覧会開催

展覧会「男の着物:人生を織りなす、スタイルの物語」が12月5日、ベネチアで開幕した。シルヴィア・ヴェスコおよびリディア・マナヴェッロがキュレーションを手がけ、テキスタイル・衣装・香水歴史研究センターであるモチェニゴ宮殿博物館にて2026年4月4日まで開催される。 未開拓の分野である日本のメンズウェアのエレガンスに光を当てる 本展は、日本に焦点を当て、世界のテキスタイル文化を巡る旅である。ベネチア東洋美術館との協力、およびベネチア・カ・フォスカリ大学アジア・北アフリカ研究学部の後援のもとで開催された。アイデンティティを表現する言語、記憶のアーカイブ、そして場所、時代、文明が交差する十字路として、衣服が持つ多様な形を紹介することに尽力してきた同博物館の広範なプログラムの一環として位置づけら...

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