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安価な服は輸入、高品質素材は輸出 数字が示す日本ファッション産業

近年の日本のアパレル市場は、コロナ以前の9兆円台には届かない状況が近年続いている。 この現象の理由の一つとして、繊維産業における労働力不足が考えられる。繊維産業の平均年収は581万円で、全産業平均を上回っている一方で繊維産業の賃金は依然として全産業平均および製造業平均を25%以上下回っている。 また、日本人の購買力低下も理由として挙げられる。人口減少と高齢化により衣料品の購入枚数自体が減り、さらにユニクロをはじめとする耐久性の高い衣料品の普及によって買い替え頻度が落ちている。また、百貨店の衰退や中価格帯ブランドの消失に象徴されるように、国内ファッションの“中間市場”が徐々に縮小し、消費者の選択肢も変化している。 著者プロフィール Sena Terui | FashionUnitedのイ...

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インフルエンサーマーケティングとKPI:2026年に向けブランドが求める確実な成果

欧州のインフルエンサーマーケティングは、統合の局面を迎えている。Kolsquareの最新レポートによれば、このセクターは実験段階を完全に脱し、マーケティング戦略における基本的なツールとなった。 今日、企業は単にソーシャルメディア上に「存在するため」だけにコンテンツクリエイターと協業するのではない。具体的な成果を得るためである。競争が激化し飽和した環境において、測定可能なインパクト、持続的な関係、そして強固なポジショニングを確立することが目的であり、そこでは戦略が最も重要となる。 主流となるトレンドは、投資の拡大、より高度な専門化、そして長期的視点という一方向に向かっている。2026年は業界にとって転換点となり、完全な成熟期を迎えることを示唆している。さらに、この進化を牽引するのは、より...

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ファッション|In Pictures

ザラ、大月壮士とアーロン・レヴィンとのコラボによる ラグジュアリー路線開拓

インディテックス(Inditex)傘下のザラ(Zara)は、2名のクリエイターとのコラボレーションを通じて、ブランドの高級化戦略を継続している。その2名とは、LVMHプライズ2025の受賞者である日本人デザイナーの大月壮士、およびメンズのプレタポルテを専門とするアメリカ人デザイナー、アーロン・レヴィンである。 ザラは、LVMHプライズ2025を受賞した日本人クリエイター、大月壮士とのコラボレーションによるカプセルコレクション「A Sense of Togetherness(ア・センス・オブ・トゥギャザーネス)」を発表した。 2025年12月4日より展開される同コレクションは、80年代および90年代の日本文化に着想を得たウィメンズ、メンズ、キッズのアイテムで構成されている。デザイナーはこ...

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2025年ラグジュアリーM&A:プラダによるヴェルサーチェ買収と今後の展望

2025年も終わりに近づき、ラグジュアリーセクターでは合併・買収(M&A)の動きが顕著に増加している。主な要因として、主要市場における成長鈍化、過小評価されたブランドへの投資機会、およびグローバルポートフォリオ拡大に向けた戦略的な取り組みが挙げられる。その筆頭となるのが、プラダによるヴェルサーチェ(Versace)の買収である。このニュースは大きな注目を集めており、ハイエンドファッション業界における統合の論理と課題の両方を浮き彫りにしている。 プラダとヴェルサーチェ:注目の大型案件 プラダは4月、米国のカプリ・ホールディングス(Capri Holdings)からヴェルサーチェを約12億5000万ユーロ(13億7000万ドル)で買収する最終合意に署名した。ロイター通信によれば、この取引は...

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