デザイナー、マリー・クワントが死去 93歳
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英国人デザイナーで、“ミニスカートの生みの親”とされるマリー・クワント(Mary Quant)が4月13日死去した。93歳だった。
訃報は「今朝、英国サリーの自宅で安らかに息を引き取った」という家族のコメントとともに英のPAニュースエジェンシーを通じて伝えられた。
また家族は、「デイム(英国王室第二等勲章)マリーは世界で最も著名な20世紀を代表するファッションデザイナーおよび“Swinging Sixties(漂流の60年代)”の優れた革新者の一人であった」と加えている。
クワントは今年、芸術・科学・医学・政治の分野で多大な貢献をした英国民が対象となる英国女王陛下新年叙勲者リストで発表された一人として、女王よりコンパニオン・オブ・オナー勲章を受賞している。同リストにはほかに俳優のマギー・スミス(Maggie Smith)やファッションデザイナーのポール・スミス(Paul Smith)ら合計65名の名が挙げられている。
“ミニスカートの生みの親”
ファッション業界で名を馳せたクワントは、1950年代にロンドン・チェルシー地区に最初のブティック「バザー(Bazaar)」を開店した。
レストランを併設した店には若者や芸術家が出会いの場として訪れ、客の中にはローリング・ストーンズ(Rolling Stones)やオードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)ら著名人もいたという。
「ミニスカートの意味の親」として知られるクワントだが、のちに、タートルネックにショートブーツ、黒のタイツのスタイルに代表される「チェルシー・ガール」「ユースクエイク」といったポップカルチャーの火付け役にもなった。
1963年には「ウェット・コレクション(Wet Collection)」で、デザイナーとして初めてポリ塩化ビニル(PVC)を使用したコートやフットウェアを発表したほか、1972年には航空会社のキャビンアテンダントの制服のデザインも手がけている。
さらに、1966年には自身の半生を綴った自伝『Quant by Quant(邦題:ミニの女王 マリー・クワント自伝)』を執筆した。