円安、賃金低下、物価上昇にも屈しない日本ラグジュアリー市場
日本国内の一般的なファッション・繊維市場 は90年代から衰退し始め、コロナ禍を機にさらに縮小した。近年で緩やかな回復がみられるものの、未だにコロナ以前の市場の大きさには達していない。 一方、国内のラグジュアリー市場に目を向けると、円安にも関わらず過去5年で大きな成長がみられる。コンサルティング会社の矢田経済研究所によると、2023年のラグジュアリー市場規模は多くの分野でコロナ禍前を上回る水準に達し、特に衣料品市場の成長率は169%増となった。また、2024年のLVMHの年次決算では、日本市場の売り上げはなんと全世界の売り上げの10%をも占め、市場の成長を裏付けている。この拡大は新富裕層の拡大や外国人観光客、また若年層の間での「ご褒美消費」によるものだと思われる。 しかし今、高級品市場は...
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