ルステン退任のバルマン 親会社マヨーラが迫られる「売却か刷新か」の決断
2016年、カタールの投資会社マヨーラ・フォー・インベストメンツ(Mayhoola for Investments)が約4億8500万ユーロ(約5億4600万ドル)でバルマン(Balmain)を買収した際、それはヴァレンティノ(Valentino)以外にもラグジュアリー分野での足場を広げようとする同政府系ファンドの自信の表れと見なされた。だが10年近くが経過した今、その自信は試練に直面している。 14年間にわたりクリエイティブ・ディレクターを務めたオリヴィエ・ルステンの退任発表は、ブランドにとって重要な転換点となる。彼の指揮下で、バルマンは独自のアイデンティティを確立した。それは、圧倒的な華やかさとセレブリティによる支持、そして業界全体が多様性へとシフトする以前から存在したインクルーシ...
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