百貨店「セルフリッジ」、タイと豪の合弁会社の傘下に
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英百貨店「セルフリッジ(Selfridges)」の再建を進めていたカナダの富豪ウェストン一族が同店の株式をタイのコングロマリット、セントラルグループ(Central Group)とオーストラリアのシグナホールディング(Signa Holding)の合弁会社に売却していたことがわかった。これにより、セントラルグループとシグナホールディングはセルフリッジの株式をそれぞれ50%ずつ保有する。
また取引では「セルフリッジ」に加え、アイルランドの「アーノッツ(Arnotts)」および「ブラウントーマス(Brown Thomas)」やオランダの「バイエンコルフ(Bijenkorf)」を含む「セルフリッジ」グループの別の小売事業も一緒に売却された。カナダの高級百貨店「ホルトレンフリュー(Holt Refrew)」については引き続きウェストン一族が保有する。
通信社『ブルームバーグ(Bloomberg)』によると、契約条件は公開されていないものの、売却額は40億ポンドであると予測されている。なお、ウェストン一族のガレン・ウェストン(Galen Weston)氏は「セルフリッジ」グループを2003年に6億ポンドで買収している。
タイの富豪ジラーティーワット(Chirathivat)一族が保有するセントラルグループは同国最大の流通事業者で、傘下には「リナシェンテ(Rinascente)」(イタリア)、「イルム(Illum)」(デンマーク)、「カーデーヴェー(KaDeWe)」(ドイツ)、「グロブス(Globus)」(スイス)など世界各国の百貨店が含まれる。このうち、「カーデーヴェー」と「グロブス」はシグマホールディングと共同保有している。
一方、流通および不動産、メディア事業を手がけるシグマホールディングはニューヨークのクライスラービルディングやベネチアのホテルバウワー(Hotel Bauer)を資産に持つ。同社が世界中に保有する不動産の資産価値は240億ユーロと試算されている。(『フィナンシャルタイムズ紙』調べ)