竹繊維、市場拡大着々と サステナブルで需要増
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世界の竹繊維産業が顕著な成長を見せている。アライドマーケットリサーチ社(Allied Market Research)はこのほど発行したレポートで、市場規模は今年末には前年から13億米ドル増の30億米ドル、CAGR(年平均成長率)は9.1%になるという試算を発表した。
市場拡大の背景には、消費者のサステナビリティに対する意識の高まりや、環境配慮型の素材の普及に加え、生産量の増加によりメーカーのスケールメリットが図られていることなどの要因が挙げられる一方、メーカーによる高い利益幅や分散的なサプライチェーンがさらなる成長を阻害しているという。それでもなお、ECの拡大やよりカーボンフットプリントの低い素材の需要増といった新たな機会も浮上しつつある。
製品セグメント別ではTシャツやシャツが最も多く、世界市場全体の4分の1を占める。紫外線対策衣料として紫外線遮蔽効果を持つ竹繊維を使用したTシャツやシャツを購入する消費者が増えているためだ。顧客属性別では幅広い種類やデザインの製品が販売されている女性向け商品セグメントの市場が大きいものの、世界中で高まっているキッズウエアの需要を受け、子供向け商品も急成長が見込まれるという。
また販路別では、品揃えが幅広い独立小売店が首位を占める上、利便性のいい立地にあり、商品の認知機会が多い専門店も高い成長率が見込まれている。地域別では消費者による高品質な竹繊維商品の支出が高い北米がトップとなっている。北米では着心地をアピールする商品にも人気が集まっていることから、今後も高い成長が期待できるとされている。なお、衣料品メーカーなどによるサステナブルファッションの認知向上を目的としたマーケティング活動が積極的に行われているラテンアメリカ・中東・アフリカ (LAMEA)は、調査対象となった地域の中で最も急速な成長率を遂げている。