ファッション再販市場、2年で3倍に、市場調査より
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米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)と高級ブランド品の再販サイトの「ヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)」がこのほど発表した共同調査レポート『What an Accelerating Secondhand Market Means for Fashion Brands and Retailers(急速に発展する中古品市場のファッションブランド・小売への意義とは)』で、上昇傾向のファッションや高級品の再販市場の影響が浮き彫りになった。
レポートは、2022年の世界のアパレルやフットウエア、アクセサリーを対象とした再販市場が1000〜1200億ドル(14兆5500億円〜17兆4700億円)に膨らむと推定し、2年前の2020年に比べて実に3倍以上増加しているとしている。
また、アパレル業界全体に占める再販市場の割合は現在3%〜5%であるが、この数値は今後40%にまで拡大すると見込まれている。
さらに2020年〜2022年に実施された消費者調査の結果から、Z世代やミレニアム世代を中心に消費者が所有するファッション関連製品のうち再販品の占める割合が2023年に27%に拡大するとの予測を示している。
「ブランド各社にとって巨大な機会」
今回発表された調査レポートの共同執筆者で、BCGのラグジュアリー部門グローバル責任者のサラ・ウィラースドルフ(Sarah Willersdorf)氏によると、BCGは世界の再販市場をその起源から分析してきたという。
「現状、ファッション中古品が消費者の間で明らかに浸透してきており、消費者の洋服の売買行動に変化をもたらしている。ブランド各社には再販市場への参入を通して新たな顧客を獲得するとともに、サステナブルかつ手頃な価格で特別感のある商品を求める既存の顧客にもアピールできるという巨大な機会がある」とウィラースドルフ氏は話す。
一方、同レポートでは消費者がファッション中古品を購入する理由として、価格や製品のバラエティー、サステナビリティを挙げている。
またファッション中古品の販売経験者の売却理由については、60%がクローゼットの整理のためと答えた。加えて商品の残存価格の回収と回答した消費者も60%に上った。
さらにファッション商品の販売に興味があるとしつつもまだ販売経験のない消費者にその理由を聞いたところ、30%が「興味はあるが時間がない」と回答しており、25%が「どんな商品が売れるかわからない」と回答した。