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パリから世界へ〜「セザンヌ」、成長の2023年

By Julia Garel

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Collection Sézane (2023) Credits: Sézane.

創業10周年を迎えた仏のファッションブランド「セザンヌ(SÉZANE)」にとって、今年はニュース続きの一年となった。本記事では、小さなオンラインショップから、業界注目のブランドへと成長を遂げたメゾンの2023年を振り返る。

2013年にモーガン・セザロリー(Morgane Sézalory)によって創設された「セザンヌ」は事業開発の支援を受けるため、2022年にテティス・インベスト社(Téthys Invest、仏「ロレアル(L’ORÉAL)」の創業者の孫、フランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズ(Françoise Bettencourt Meyers)とその配偶者、ジャン・ピエール・マイヤーズ(Jean-Pierre Meyers)が保有する投資持株会社)を出資者に迎えた。仏の経済紙「レゼコー(Les Echos)」によると、「セザンヌ」は創業以来、20%〜30%の年平均成長率で成長しており、2021年の売上高は2億5千万ユーロを超えたという。

続々と新店舗開業、ポップアップも

本拠地のフランスをはじめ、すでに米英でも直営店を持つ「セザンヌ」だが、2023年には市場の反応を見るためのポップアップ・ストアを含み複数の店舗を新規に開業した。

11月にはロンドンの繁華街メリルボーン店を開業したほか、その後も有名な観光地の一つ、コベントガーデンにポップアップ・ストアをオープンした。

米国市場も積極的に開拓中だ。今年9月にオープンしたワシントン州シアトルのポップアップ・ストアでは、ブランドのアイコンともいうべき可愛らしいパリのアパルトマンのリビングルームをイメージした空間に、オンラインで購入できるアパレルや雑貨などの商品を配置した。こうした期間限定型の店舗はシアトルに加えてボストンやロサンゼルスでも展開している。

Sézane celebrates its tenth anniversary in 2023. Hamburg storefront. Credits: Sézane

Sézane celebrates its tenth anniversary in 2023. Hamburg storefront. Credits: Sézane 今年創業10周年を迎えた「セザンヌ」はドイツ・ハンブルグにもポップアップ・ストアを開業した。(写真クレジット:Sézane)

海外展開は英米のみではない。10月には同ブランドのドイツのポップアップ・ストア第一号店をハンブルグに開設した。

さらにホームグラウンドのフランスにおいても、パリのマレー地区のブラン・マントー通り33番地に新店舗を開業したほか、リヨンでもポップアップ・ストをオープンしている。

ホームウエアにも進出

2023年5月、「セザンヌ」は前身であるオンラインショップ「レ・コンポサンテス(Les Composantes)」の運営を再開させた。クッションや照明器具、食器、キャンドルなどホームウェアを扱うECサイトで、パリのボン・マルシェ百貨店(Le Bon Marché)で行われた「セザンヌ」創業10周年記念企画で新商品が初披露された。会場に展示された目を見張る商品の数々は、まさに「セザンヌ」の強みを象徴するものだった。

「セザンヌ」によるホームウェア事業の進出は特段意外なものではなく、むしろ、業界全般の流れに乗って、急成長する分野に目を付けたものだ。市場調査レポート「アライドマーケットリサーチ(Allied Market Research)」のデータによると、2019年のインテリアデザイン業界市場は6,160億米ドルであったが、2027年には8,380億米ドルに到達すると予測されている。

また、「セザンヌ」は今年、ライフスタイル・ブランドとしてのポジショニングを強化するため、仏の映画配給会社MK2と共同で夏季の映画鑑賞会を開催するなど文化的なイベントにも力を入れている。

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