メタバースの市場、2030年に5兆円に〜マッキンゼー調査
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米コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)は、メタバースの市場が2030年までに5兆米ドル(約672兆円)に達するとした新しい調査レポートを発表した。
マッキンゼーによると、メタバースは今後10年間に多くの産業にとっての最大の成長機会となり、なかでもECへの影響は推定2兆6千億米ドル(約349兆円)とすべての業種中最も高くなると予想している。
また調査では、今日の世界的なゲーム市場の売上のうちバーチャルグッズの購入が占める割合は75%はであるとの推計値に加え、メタバースを利用する消費者の79%が自身のオンライン体験を豊かにするためなどの理由で何らかの物やサービスを購入した経験があるというデータも明かした。
具体的に購入した物やサービスについては、47%がゲーム内課金、37%がバーチャル・コスメティック・アイテム(“スキン”などゲームのキャラクターの容姿を変えるデジタル着せ替えアイテム)、33%が現実世界で販売されている商品との結果となった。
調査レポートについて、ラグジュアリーブランドのデジタル体験の制作を手がけるAnamXRのアイリーン=マリー・シーリグ(Irene-Marie Seelig)共同創設者兼CEOは、「消費者行動は消費者自らのデジタルなペルソナ導入に向けて大きく移り変わっているが、にも関わらずブランドの多くがそのソリューションをまだ提供していない」とコメント。「これは、例えば洋服などのデジタル資産を供給できるブランドにまったく新しい収益モデルの可能性を開くことになる」と加えている。
また、マッキンゼーはすでにメタバースを活用している企業は長期間競争的優位性を構築できるとし、経営層はメタバース参入の目標やメタバースにおいての自社の役割を確立することにより、戦略的スタンスの開発に取り組むべきであると指摘している。