ファストリ、営業利益28.2％増

「ユニクロ（UNIQLO）」擁するファーストリテイリングが2023年8月期通期決算を発表し、売上収益が前期比20.2%増の2兆7,665億円であったことを明かした。営業利益は3,810億円（同28.2％増）、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,962億円（同8.4％増）となった。

「ユニクロ」に関しては、連結全体に占める海外事業の売上収益が初めて5割を超えたほか、営業利益に占める割合も約6割までに拡大した。

1株当たり期末配当金は165円を予定しており、上期の125円と合わせ年間配当金は290円と前期比83円の増配となるという。

国内・海外「ユニクロ」事業の状況

国内「ユニクロ」事業の売上収益は8,904億円（前期比9.9％増）、営業利益は1,178億円（同9.2％増）を記録した。

通期の既存店売上高は前期比7.6％の増収であった。上期は冬物商品の販売が好調で前年同期比10.0％増となった。下期はエアリズムインナー、感動ジャケットなどの販売が好調に推移し、前年同期と比べ4.7％増加した。

海外「ユニクロ」事業は、売上収益が1兆4,371億円（前期比28.5％増）となり、営業利益は2,269億円（同43.3％増）と躍進した。

特にグレーターチャイナは通期で大幅な増収増益を達成し、通期で過去最高の業績を記録した。上期は新型コロナの影響で販売に苦戦したが、下期は業績が想定以上に回復した。

韓国および東南アジア・インド・豪州地区はいずれも大幅な増収増益となり、期を通して販売は好調であったが、下期の営業利益に関しては、インドネシアのセーフガードの影響などによる粗利益率の低下で、若干の減益となった。

北米、欧州は、LifeWearのコンセプトが浸透し好調な業績となった。

「ジーユー（GU）」も堅調

一方、「ジーユー」の売上収益は2,952億円（前期比20.0％増）、営業利益は261億円（同56.8％増）となった。

グローバルブランド事業では、売上収益が1,416億円（前期比15.0％増）、事業利益は5億円の黒字を記録したが、営業利益は30億円の赤字（前期は7億円の赤字）と赤字幅が拡大した。

「セオリー（THEORY）」事業で大幅な増収増益となったことに加え、「プラステ（PLST）」事業では増収および赤字が縮小した。「コントワー・デ・コトニエ（COMPTOIR DES COTONNIERS）」事業は減収、赤字幅は拡大した。

2024年8月期の通期業績予想については、売上収益3兆500億円（前期比10.2％増）、営業利益4,500億円（同18.1％増）、親会社の所有者に帰属する当期利益3,100億円（同4.6％増）と予想している。

1株当たり年間配当金は、中間配当金165円、期末配当金165円を合わせて330円を予想。年間で前期比40円の増配となる見込みだという。