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スポーツウエアから高レベルの有害物質BPAを検知、新たな調査で判明

By Rachel Douglass

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Image: Unsplash

米国の非営利団体、センター・フォー・エンバイロンメンタル・ヘルス(The Center for Environmental Health、以下、CEH)は、スポーツウエアを通じて着用者が化学物質BPA(ビスフェノールA)に曝露している可能性があるとの調査結果を受け、スポーツウエアブランド数社に是正を求める法的通知書を送ったことを明かした。

通知書が送られたのはスポーツブラの8ブランドおよびスポーツシャツの6ブランド。それぞれに対し、取り扱い商品におけるBPAの含有量がカリフォルニア州法に定められる制限値の最大22倍に上るとする根拠が示されたという。

問題となっているブランドは「ナイキ(NIKE)」「フィラ(FILA)」「アシックス(ASICS)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「リーボック(REEBOK)」「ピンク(PINK)」「ニューバランス(NEW BALANCE)」など。

エストロゲンに似た作用を示すBPAは、ホルモンや身体の機能をかく乱させるだけでなく、代謝や成長、生殖機能にも影響をおよぼす危険性があるとしてこれまで多くの研究が実施されている。

CEHの違法毒性物質プログラムのディレクター、カヤ・オルマン・スジャーマン(Kaya Allan Sugerman)氏はプレスリリースで、「人々は摂取(容器から溶け出したBPAが、容器内の食品や飲料を通じて人体に移行するなど)や皮膚吸収(買い物のレシートを触ることによって体内に入り込むなど)によってBPAに曝露されている」と説明。

「BPAはレシートの紙を数秒間、あるいは、数分間触るだけでも皮膚を通じて体内に吸収され、血流中に入り込むことが調査によってわかっている」と同氏はコメントしている。

さらに「スポーツ用のブラやシャツは一回あたりの着用時間が長く、着用したまま汗をかくこともあり、衣料品の中でこれほど高い含有量が検知されることは懸念がある」としている。

CEHはこれまでにも企業に対し商品からビスフェノールを除去するよう見直しを求めており、いくつかの企業がすでに対応している。

また、BPAに関しては、過去に乳児の靴下を含むスパンデックスを使用したポリエステル由来の衣料品における含有量の調査を実施している。

法的通知書が送られたブランドには、CEHが訴訟を起こすまで、是正期限として60日間が与えられる。

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