「プラダ」、CEO交代計画を公表

イタリアの高級ファッションブランド「プラダ(PRADA)」のパトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)はこのほど、今後3年以内に息子のロレンゾ・ベルテッリ氏(Lorenzo Bertelli)にCEOの職を譲る計画であることを明かした。

現在33歳のロレンゾ・ベルテッリ氏は「プラダ」でマーケティングディレクターおよびCSR（企業の社会的責任）部門長を務める。今週木曜、ミラノのプラザ財団の本社に訪れたベルテッリCEOは、ロレンゾ氏についてCEOの職務に対し“適切な姿勢”を持っているとコメントした。

交代の時期についてベルテッリCEOは“本人次第だ”としている。

また、同氏は「プラダ」は追加資金の必要がなく、他のグローバル高級ファッショングループとの連携や投資家探しもしていないと公言した。

「買収には常々興味があるが、売却にはまったく関心がない」。今年75歳になるCEOはそう述べた。「まだ愛車のベスパプリマベーラやホンダのバイクも所有している。2台ともまだ自分の元にある。何も売りに出してはいない」。

現在ベルテッリ家は「プラダ」の株の80%を所有している。

オンライン販売の第三四半期売上が急増

CEOの交代計画は、「プラダ」が投資家向けに開催しているイベント「Capital Markets Day」で発表された。同イベントでは「プラダ」の年間売上を現在の32億ユーロから45億ユーロに拡大することを目指した野心的な中期計画も披露された。

合わせて小売売上におけるオンライン売上比率を15%に倍増したい考えも示された。

「プラダ」のオンライン売上はすでに活況で、2021年第三四半期のオンライン販路による売上は2019年の第三四半期と比較し400%増に伸長したという。

また2021年第三四半期の小売売上も2019年第三四半期比で18%増となり、主要な数値指標全体にわたり収益性が改善された。

非常に強い売上の伸びは直近の販売でも継続していると同社は話している。

「プラダグループはファッションに関して熟考された先駆的ビジョンを持っている。文化的にも社会的にも大きな変化を迎える時、高級品は市場に合わせて首尾一貫した形で進化を続けていかなければならない」とベルテッリCEOは言う。

「我々の対話や流動的な視点は高級品の定義を繰り返し変えている。我々は市場に相応しく、サステナブルで、影響力のある存在となることで、長期的成長を牽引していく」と同氏は加えている。