「ソニアリキエル」、仏EC創設者との売買契約が成立〜再建に向け前進
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「ソニア リキエル(Sonia Rykiel)」が再建に向けての一歩を踏み出した。同社とフランス発のファッションECサイト「ショールームプライブ(Showroomprive)」を創設したエリックとミカエル・ダヤン兄弟(Éric and Michaël Dayan)とが売買契約に署名したことが発表されたのだ。
ダヤン兄弟は「ソニア リキエル」がフランスおよび海外で登録している400を超える製品についての知的財産権を取得する。こうした知的財産権は「ソニア リキエル」「リキエル ホーム(Rykiel Homme)」「ソニア バイ ソニア リキエル(Sonia by Sonia Rykiel)」といったファッションやフレグランス、コスメ、インテリアなど幅広いラインを持つブランドを保護している。
「ソニア リキエル」は1968年5月にデザイナーのソニア・リキエルが設立。近年業績不振が続き、昨年7月にパリの裁判所から清算を申し渡されていたが、同年12月にダヤン兄弟が再建を申し出ていた。
ダヤン兄弟は「ソニア リキエル」ブランドのかつての輝かしい地位の復権に意欲を見せている。2人は共同声明文の中で「個性的でコンテンポラリーな価値をもたらす製品を世に出してきたアイコニックで普遍的なブランド“ソニア リキエル”を買収するに至り、大変誇りに思う。歴史と現代性が融合するこの素晴らしいメゾンのルネサンス(再生)に導くため全力で取り組んでいく」とコメントしている。
SNSアカウントも再開へ
「ソニア リキエル」によると、昨今のコロナ危機のため今後の戦略については発表する予定はないとしながらも、ブランド再建にあたってはルーツであるニットウェアに再度フォーカスするなど、ブランドへの回顧への思いがアートディレクションの方向性になっていくとしている。
また今週末を目処にソーシャルメディアのページをリニューアルし、フォロワーの維持に努めていくという。同社は「昨今の社会状況の中で、当社のソーシャルメディアの活動を再開させすでに大きなフォロワー数を持つ我々のコミュニティ(インスタグラムで45万人、ツイッターで14万人、フェイスブックで9万人)の支持復活に我々の労力を集中・集結させていく。これまで“ソニア リキエル”に届けられてきたご支援のメッセージの数々を共有するとともに、心を一つにし、勇気づけるという我々のブランドの重要な価値観について伝えていきたい」とのコメントを発表している。
写真: エリック、ミカエル・ダヤン兄弟(提供:Pascale Venot Press Office)