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「ニコラス カークウッド」、LVMHから独立へ

By Kristopher Fraser

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LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)からまた一つブランドがなくなる。2013年にLVMH傘下に入った英の「ニコラスカークウッド(Nicholas Kirkwood)」がLVMHから独立することがグローバルファッション専門誌『ビジネス・オブ・ファッション(Business of Fashion)』で報じられた。

LVMHは今回の決定について「相互に友好的な決断であった」としている。経済的な条件は公開されていないが、「年内残りの期間、円滑な体制移行に向けた支援を“ニコラス カークウッド”に提供していく」とコメントしている。

LVMHはその歴史において、2005年と2016年に傘下を外れた「クリスチャン ラクロワ(Christian Lacroix)」と「ダナ キャラン インターナショナル(Donna Karan International)」を除き、ブランドの売却をしてこなかった。しかしここへ来て豊富なブランド・ポートフォリオの構築は同社の注力領域ではなくなっているきらいがあり、先般も数十億ドルをかけた有名ブランド「ティファニー(Tiffany & Co.)」の買収計画の撤回が報道されたばかりだ。

「ニコラス カークウッド」はLVMHグループの中でも好調なブランドではなかった。LVMHはブランド別の業績を開示していないが、「ニコラス カークウッド」が英国当局に提出した資料では同社はここ数年繰り返し損失を報告している上、その額も増えつつあり、2019年には330万ポンドの営業損失を計上した。

高級シューズで知られ、『ヴォーグ(Vogue)』『ハーパース・バザー(Harper’s Bazaar)』『エル(Elle)』など名だたるファッション誌でも取り上げられた「ニコラス カークウッド」は元々ファッション・エディターやバイヤーの間で支持が高かった。現在は消費者への直接的なマーケティングや販売にフォーカスしているが、小売業界の予算縮小が続く中、対消費者戦略が同社の業績を後押ししそうだ。

写真: via nicholaskirkwood.com

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ニコラスカークウッド
モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン