環境NGO「Redress」、今年度のデザインアワード受賞者を発表
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廃棄ファッションの削減を目指す環境NGO「リドレス(Redress、以下 Redress)」がサステナブルファッションに取り組むデザイナーを表彰する「Redress デザインアワード(Redress Design Awards)」の2020年度受賞者を発表した。大賞を受賞したのはメンズウェアデザイナーのレ・ゴック・ハ・トゥー(Le Ngoc Ha Thu)氏、およびウィメンズウェアデザイナー、ジュリアナ・ガルシア・ベロ(Juliana Garcia Bello)氏の2名。
「Redress デザインアワード」は、サステナブルファッションに関する世界最大のデザインコンテスト。10周年を迎えた今年はポスト・コロナの世界をテーマに、世界48カ国からデザイナー達数百名が参加し、環境に優しく、革新的で廃棄衣料品の問題を解決するデザインを競った。
審査員により選ばれた2名の大賞受賞者には、VFコーポレーション傘下のアウトドアウェアブランド「ティンバーランド(Timberland)」やアップサイクル・ファッションブランドの「アール・コレクティブ(R Collective)」とのコラボレーションの機会が与えられる。
またアルゼンチン出身デザイナーでウィメンズウェア部門の大賞受賞者、ジュリアナ・ガルシア・ベロ氏は「アワードを通じて多くのことを学び、コラボレーションこそが重要であると強く実感させられた。廃棄衣料品問題の実践的な解決策を探し続けるため、私達デザイナーはそれぞれの強みを共有し互いに刺激し合わなければならない」とコメントしている。
同アワードではさらに、準賞としてスリランカ出身のルース・ウィーラシンゲ(Ruth Weerasinghe)氏、香港地区大賞としてグレース・マーティンズ(Grace Lant)氏がそれぞれ選ばれた。
Header 2Redressデザインアワード2020の大賞受賞者はレ・ゴック・ハ・トゥー氏とジュリアナ・ガルシア・ベロ氏
香港で開催された最終審査の2週間前にはVFコーポレーションと米ワイシャツメーカーのTAL グループからそれぞれ予選通過者に対し実際に両社が抱えるコロナ危機に関連した環境問題に対する解決策を提案する課題が与えられ、参加者デザイナー達は最終審査への出場権をかけて接戦を繰り広げた。
TAL グループはコロナ禍の余剰在庫をテーマにした課題を出題。売れ残ったシャツを新商品として販売するため、デジタルデザインソフトウェア「ブラウズウェア(Browzwear)」を使った再デザインを募った。一方VFコーポレーションは「ティンバーランド」ブランド商品の生地在庫を利用した商品のデザイン提案を中心としたサステナブルかつ大規模生産が可能な事業アイデアを募集した。
Header 2過去の参加者に贈られる「オール・スター賞」も創設
今回のアワードでは10周年を記念し、過去のアワード参加者の中から優れた業績を収めたデザイナーに「オール・スター賞( Redress Design Award 2020 All Stars)」が贈られた。受賞者は過去にアワード歴のある36カ国の200人を超えるデザイナーから選ばれ、ポーランド出身のパット・グジク(Pat Guzik)氏とペルー出身のアナイス・ユクラ(Annaiss Yukra)氏ほか7名が受賞した。クジク氏とユクラ氏の二人は今後、サステナブルファッションのEコマースサイト「スタイ(Staiy)」に自身のブランドを出店する権利が与えられる。また7人の受賞者全員に仏デパート「ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)」上海店で開催される展示イベントへの参加を通じて中国のファッション市場で自社ブランドをプロモーションする機会が与えられる。
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画像提供: courtesy of Redress