オーセンティック・ブランズ・グループがドレイクのOVOを買収、グローバル展開はヴィンスHDが主導

オーセンティック・ブランズ・グループ(Authentic Brands Group)が、ラッパーのドレイクが設立したライフスタイルブランド「October’s Very Own(OVO)」の過半数株式を取得した。この取引にはヴィンス・ホールディング(Vince Holding Corp.、以下VNCE)も関与し、アパレルおよびリテールの主要ライセンシーを務める。

この取引の一環として、オーセンティック社はOVOの知的財産を管理する新設子会社を通じて事業の51%を所有する。ドレイクは44%の株式を保持し、残りの5%はVNCEが所有する。知的財産の売却による収益の一部は、OVOの財務基盤の強化に充てられる。

小売、Eコマース、卸売事業の拡大を計画

さらにVNCEはオーセンティック社とライセンス契約を締結。これにより、VNCEはOVOの知的財産を使用してライセンスアパレルを世界的に製造・販売し、オーセンティック社はロイヤリティを受け取る。カナダ、米国、英国におけるOVOの既存の事業会社、資産、負債(小売店、Eコマースプラットフォーム、卸売事業を含む)もVNCEの所有となる。

VNCEによれば、これは同社のマルチブランド・プラットフォーム戦略の第一歩であり、OVOの次の成長段階を支援する計画だ。特に米国では、卸売事業の立ち上げや店舗およびEコマースの拡大が予定されている。

VNCEにとって、この取引は世界のストリートウェア市場にアクセスする機会となる。また、OVOの現在の事業拠点であるカナダにおいて、店舗展開や卸売事業への進出に必要なインフラを同社に提供するものでもある。OVOのデザインおよびクリエイティブ機能は独立性を維持する。

所有権に関する憶測が事実に

このニュースは、OVOの所有権に関するこれまでの憶測を裏付けるものだ。同社の所有権については、債務の一部返済不履行および契約違反の疑いで訴訟に直面しているとの報道を受け、今年初めに疑問視されていた。

A.R.I. OVO Growth社は、OVOを魅力的な融資機会と判断し、2025年初頭に融資契約を締結、複数の取引を通じて資金を注入した。しかしその後、同社はOVOが期日通りに債務を返済しなかったと非難し、未払い金、訴訟費用、その他の経費約460万ドルを回収するため、ブリティッシュコロンビア州の裁判所に訴訟を起こした。

この法的紛争は、メディア『Puck』がOVOはオーセンティック社との取引を検討していると報じたことでエスカレートした。A.R.I.社は、契約合意の一環としてそのような協議は開示されるべきだったと主張。一方、OVOはそれ以来、A.R.I.社への追加支払いは存在しないとの立場を取っている。

新たなカテゴリー、チャネル、市場へ

VNCEとオーセンティック社の傘下で、OVOはカナダ、米国、英国で運営する既存の12店舗とEコマースプラットフォームを超えて、ブランドのプレゼンスを拡大する計画だ。

オーセンティック社の創業者兼会長であるジェイミー・ソルター氏は声明の中で、OVOを傘下に迎えることを誇りに思うと述べた。OVOは、デビッド・ベッカム、エルヴィス・プレスリー、シャキール・オニールといったセレブリティが手掛ける他のレーベルに加わることになる。

ソルター氏はさらに次のように付け加えた。「我々は、ブランドを特別なものにしてきたクリエイティブなビジョンとコミュニティに忠実でありながら、OVOを新たなカテゴリー、チャネル、市場に導入する大きな機会があると見ている。VNCEとの提携で得た成功は、彼らがOVOの事業を運営していく上で大きな信頼を与えてくれるものであり、VNCEのプラットフォームを活用する将来の機会を探ることを楽しみにしている」

2008年にオリバー・エル=カティブ氏およびノア・“40”・シェビブ氏と共にOVOを共同設立したオードリー・“ドレイク”・グラハムは、オーセンティック社とVNCEは「我々が成長を続けるための完璧なパートナーだ」と述べた。現在、最高経営責任者はデレク・“ドレックス”・ジャンカー氏が務めている。


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