レンツィング、3億ユーロ規模の完全引受済み増資を発表

オーストリアの繊維メーカー、レンツィングAGは、既存株主への新株引受権付き普通増資を実施すると発表した。調達目標額は約3億ユーロ(約3億3,900万ドル)で、全額引受済みとなっている。

今回の増資は、グループの企業戦略「Grow Nonwovens, Reset Textiles」の実行を支援するものであり、グローバル生産ネットワークの最適化および財務基盤の強化を目的としている。

増資の概要と戦略的目標

調達資金により、レンツィングは財務上の柔軟性を高める。「Grow Nonwovens, Reset Textiles」の枠組みのもと、グループは不織布セグメントの拡大を進める一方、テキスタイル事業を差別化されたプレミアムセグメントへと集中させる方針だ。

生産ネットワークの再編の一環として、オーストリアのハイリゲンクロイツ(Heiligenkreuz)工場では2027年第1四半期末までに、英国のグリムズビー(Grimsby)工場では2027年末までに繊維生産を終了する。また、インドネシアのプルワカルタ(Purwakarta)工場の売却プロセスも継続中だ。

レンツィングAGの最高経営責任者(CEO)、ゲオルク・カスパーコヴィッツ(Georg Kasperkovitz)は次のように述べた。「今回の増資の開始により、戦略的変革の実行に向けた決定的な一歩を踏み出す。本取引によって得られる財務上の柔軟性を活用し、不織布事業の拡大、テキスタイル事業の再構築、そしてレンツィング・グループの競争力の持続的な強化を図る」。

また、増資と並行して最大3億ユーロの新規融資を確保し、既存のクレジットファシリティを2030年まで延長することで合意した。中期的には、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を1億5,000万ユーロ増加させ、EBITDAマージン20〜25%の達成、および純有利子負債のEBITDA比2.5倍未満への低減を目指す。

新株引受の主要条件

今回の増資では、2026年1月1日以降の配当受領権を有する無額面記名株式3,475万6,362株を新規発行する。1株あたりの引受価格は8.65ユーロで、2026年9月30日の終値を基準とした理論的権利落ち後株価に対して42.50%のディスカウントとなる。

株主は2026年10月1日時点の保有株式1株につき1つの新株引受権を受け取る。引受比率は10対9で、既存株式10株につき新株9株を引き受けることができる。

引受期間は2026年10月6日から10月20日までを予定している。引受権はウィーン証券取引所の公式市場において2026年10月6日から10月14日まで取引される。引受されなかった株式は、2026年10月20日に国際的な私募により提供される。

主要株主のコミットメントおよびロックアップ合意

レンツィングの発行済み株式の52.25%を保有する筆頭株主シンジケート(B&Cグループおよびブラジルのセルロース供給会社スザノSA(Suzano SA)で構成)は、全引受権を行使することを約束しており、総額1億5,710万ユーロの調達が見込まれる。

オーストリアの銀行機関、オーバーバンクAG(Oberbank AG)は発行済み株式の3.87%を保有しており、約1,160万ユーロ分の引受権を行使する予定だ。シンジケートおよびオーバーバンクはともに6ヶ月間のロックアップ期間に合意している。

増資完了後、B&CグループはレンツィングAG株式の39.64%を、スザノSAは12.60%をそれぞれ保有することになる。本取引は、ジョイント・グローバル・コーディネーターであるBNPパリバ(BNP Paribas)、ユニクレジット(UniCredit)、コメルツバンク(Commerzbank)、エルステ・グループ・バンクAG(Erste Group Bank AG)、およびライファイゼン・バンク・インターナショナル(Raiffeisen Bank International)によって全額引き受けられている。

新株の決済・受渡しおよびウィーン証券取引所プライム・マーケット(Prime Market)セグメントでの取引開始は、2026年10月23日を予定している。


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