スピンノバ、ポルトガルの紡績会社Tearfilの買収を検討
フィンランドの素材テクノロジー企業スピンノバ(Spinnova)は、ポルトガルの紡績会社Tearfil – Indústria Têxtil(Tearfil)およびその株主との間で、全株式の取得を目的とした拘束力のない基本合意書(LOI)を締結した。
今回の取引は、木材パルプおよび廃棄物由来繊維に特化した糸の開発・紡績能力を確保することで、テキスタイルバリューチェーンにおけるスピンノバの地位強化を目的としている。開発サイクルの短縮、製品加工プロセスの管理強化、そしてブランドパートナーとの商業化加速が主な狙いだ。
スピンノバのCEO、ヤンネ・ポラネンは次のように述べた。「Tearfilはスピンノバにとって重要なパートナーであり、スピンノバ繊維の商業応用を推進する上で中心的な役割を果たしてきた。このケイパビリティをスピンノバに取り込むことで、スピンノバ繊維のより広範な普及を支援し、技術の商業的スケールアップを加速させる能力が強化される」
財務条件および再建プロセス
拘束力のない基本合意書では、Tearfilの全株式に対する初期取得評価額として50万ユーロ(約57万4,000ドル)を現金およびスピンノバ株式で支払う枠組みが示されている。ただし、この枠組みは取引完了を義務付けるものではなく、完了目標時期は2027年第1四半期とされている。
また、スピンノバはTearfilに対し、同社がポルトガルの裁判所監督下における特別再建手続き(PER)を通じて現在の債務を再編する間、150万ユーロのブリッジローンを提供する予定だ。PERは財務的困難を抱える企業が通常業務を継続しながら債権者と再建計画を交渉できる制度である。
ブリッジローンの金利は12ヶ月EURIBORに2%を加算した水準で、支払いから1年後に満期を迎える。スピンノバが取引を進めないと判断した場合の早期返済条項も含まれており、最終的な契約書類および諸条件の確定は今後数週間以内に行われる見込みだ。
Tearfilの財務概況
2025年12月31日を末日とする会計年度において、Tearfilの売上高は857万ユーロと、2024年の1,294万ユーロから減少した。2025年の純損失は327万ユーロで、前年の44万8,000ユーロの損失から拡大している。
2025年末時点で、Tearfilの固定資産合計は663万ユーロ、純資産合計は243万ユーロ。短期負債合計は791万ユーロ、長期負債は500万ユーロで、いずれもPER再建プロセスを通じて対処される見込みだ。
今回の潜在的な取引の完了には、デューデリジェンスの充足、スピンノバ取締役会の承認、PER再建計画に対する裁判所の承認、および最終取引書類の締結が条件となる。
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