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メトロポリタン美術館、ルイ・ヴィトン主催のファッション史を振り返る企画展を開催

By Don-Alvin Adegeest

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カルチャー

米ニューヨークのメトロポリタン美術館付属の「メトロポリタン美術館服飾研究所(Costume Institute)」の最新の展覧会となるファッションの150年にわたる歴史を振り返る特別展「About Time: Fashion and Duration」がこのほど開幕した。

もともと今年5月に開催予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により5カ月遅れでの開幕となった。なお、会期は来年2月7日に終了する。

特別展では1870年から現代までのファッションの歴史をたどり、哲学者アンリ・ベルクソンが提唱した概念である「 la durée(持続)」(分割することが出来ない意識の流れ)という考え方を取り入れながら、ファッションがいかに過去、現在、未来を融合する時間的な関連性を生み出していったかを探求する。

会場は巨大な時計の文字盤をイメージして作られた二つの隣接したギャラリーを使用し、それぞれでファッションの歴史が時計のように1周60分間に区切って紹介されている。会場に現れた「1分」毎の空間には、二つのドレスの組み合わせが展示されており、それぞれ「主要作品」(ファッションを時間軸という一つの線の中で捉えた場合の当時の作品)と、「二次的作品(その周期的な特徴を表す作品)」を象徴している。過去が現在と共存するというベルクソンの「持続」の概念を表現するため、それぞれのドレスの組み合わせには「形状」「モチーフ」「素材」「パターン」「技法」「装飾手法」といった視点で関連性が反映されている。例えば、1870年代後半を代表する黒いシルク製フェイルのプリンセスラインのドレスは、「アレクサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」が1995年に発表した「バムスター(Bumster)」スカートとペアリングされている。また1890年代中盤に登場したレッグオブマトン・スリーブという大きく膨らんだ袖がついた黒いシルクのサテンドレスは、「コム・デ・ギャルソン(Comme des Garçons)」の2004年のコレクションの一つである形を崩したアンサンブルとの組み合わせで展示されている。

シルエットを強調するため、展示されているドレスは会場の最後に登場する「ヴィクター&ロルフ(Viktor & Rolf)」のドレスを除き、ほぼすべてが黒に統一された。唯一の白いカラーのドレスである「ヴィクター&ロルフ」は2020年春夏オートクチュールコレクションで発表された色見本の端切れを再利用したパッチワークのドレスで、コミュニティや連携、持続可能性にフォーカスしたファッションの未来像を象徴している。

また、特別展示を主催する「ルイ・ヴィトン」からは、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquire)クリエイティブ・ディレクターが手がけた2018年春夏コレクションからレザーのドレスが展示された。

今年で150周年を迎えるメトロポリタン美術館

今年、メトロポリタン美術館は150周年を迎える。今月初め、同美術館は世界の芸術家からの作品寄贈を含む記念事業の内容を発表した。芸術や歴史、文化を検証するさまざまな展覧会の開催や展示品の収蔵、地域社会とグローバルコミュニティに向けたダイナミックなイベントなど、今年はメトロポリタン美術館にとって特別なプログラムが目白押しだ。

画像提供: Louis Vuitton

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