記事の著者 Don-Alvin Adegeest
パリファッションを再構築する、アメリカ人デザイナーの新潮流
マーク・ジェイコブスがルイ・ヴィトンで変革をもたらした時代以来、パリがこれほどアメリカ人によるクリエイティブなリーダーシップの波を経験したことはない。2026年春夏シーズンでは、3つのショーが際立っていた。ロエベで確かなデビューを飾ったジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデス、スキャパレリで圧倒的な存在感を示したダニエル・ローズベリー、そしてセリーヌで2シーズン目を迎えたマイケル・ライダーである。彼らの活躍は、かつては実用的すぎるとパリで評価されなかったアメリカのデザインが、今やヨーロッパのラグジュアリーの言語を流暢に使いこなしていることを示唆している。 ロエベでは、プロエンザ・スクーラーの創設者である二人が、静かな威厳をもってデビューに臨んだ。彼らのコレクションはしなやかで、太陽の...
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デムナが『La Famiglia』でデビュー、グッチは白紙からの再出発
ファッション界において真に転換点となる瞬間は稀であるが、月曜日、グッチに変化の風が吹いた。フィレンツェを拠点とするこのメゾンはソーシャルメディアのアカウントをすべて消去し、今シーズンのための37のルックを発表したのである。これは、アーティスティック・ディレクターに就任したデムナによる大胆なデビューとなった。彼はランウェイショー形式をとらず、火曜日にスパイク・ジョーンズおよびハリーナ・ラインが監督したショートフィルム内でコレクションを披露した。 「The Tiger」の物語は、デミ・ムーアが演じるGucci Internationalのトップ兼カリフォルニア会長のバーバラ・グッチが、自身の誕生日を祝うために家族の邸宅に子供たちと特別なゲストを招集するところから始まる。このフィルムの公開は...
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パリファッションウィークでスニーカーブランドが注目を集める
オリンピックの直前に開催されたパリメンズファッションウィークでは、ランウェイショーと同じくらい多くのオフスケジュールスポーツウェアのアクティベーションや製品の発売が行われました。ファッションとスポーツがこれほど簡単に(そして商業的に)融合したのは、めったにありません。 スニーカーは、コートの外でもランウェイでも大きな話題になりました。以下にハイライトをいくつか紹介します。 アディダス 今シーズン、パリファッションウィークで注目を集めた英国のラグジュアリーブランド、ウェールズ・ボナーは、アディダスとのコラボレーションパートナーシップを継続しています。2025年春夏コレクションでは、デザイナーはカントリーローという新しいフットウェアシルエットを発表しました。このモデルは、カーキのスエードと...
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TikTokが米政府を提訴、アプリ規制法に対抗
動画共有アプリ大手で今年のMetガラのメインスポンサーにもなっている「TikTok(ティックトック)」が、米国におけるTikTok規制法をめぐって米政府を相手に訴訟を起こした。TikTokを運営する中国のバイトダンス(Bytedance)は、米議会がTikTokのみを対象に規制しようとし、憲法上の一線を超えたとして争う姿勢を示した。 米国では2024年4月、国家安全保障上の懸念から、TikTokが期限内に中国企業・個人の管理下にないよう「適切に分割」されない限り、米国内でのサービス提供を禁止するとした「TikTok」規制法が成立した。 バイトダンスは訴状で、同法が提示するようなTikTokの分割は実現不可能であり、期限である2025年1月19日にはプラットフォームの閉鎖を免れないと主張...
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「シャネル」がマルセイユで2025クルーズコレクション披露
「シャネル(CHANEL)」の最新クルーズコレクションが、フランス・マルセイユで開催された。リゾートコレクションといえば、ラグジュアリーブランドが次々に国外リゾート地でショーを開催するのがお決まりのパターンだが、今回「シャネル」が選んだ南仏の活気あふれる港町は、伝統的なフレンチ・エレガンスと地中海の魅力がハーモニーを生み出し、これまでとは一味違うユニークな印象を残した。 アートスペース「MAMO」を会場に披露された2025年クルーズコレクションでは、水中で馳せる夢想と地中海を照らす太陽の輝きの融合をコンセプトにヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)が手がけた、刺繍やスパンコールをあしらったジャケット、スイムウェアなどが登場した。 またショー当日には、特別企画としてラジ...
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欧米版極妻ファッション?「モブワイフ」が今、人気な理由
TikTokからニューヨークタイムズ紙にいたるまで、豪華絢爛でゴージャスな「モブワイフ」ファッションが、米国を中心に世界でトレンドになっている。 「モブワイフ」とは、ギャングを指す「モブ(mob)」の妻のこと。ギャングの世界をユーモアを交えて描いた米国の人気テレビドラマ、『ザ・ソプラノズ(The Sopranos)』に登場するギャング妻たちが火付け役となり、毛皮のコートや高級ジュエリーといった、富やステイタスを象徴するボールドなファッションが流行し始めた。 こうしたトレンドは、映画やテレビからインスピレーションを得ている若いSNSユーザー世代を中心としたポップカルチャーを反映している。今年ネットフリックスで配信開始されたドラマ『グリセルダ(Griselda)』も、ソフィア・ベルガラ演じ...
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【パリ・オートクチュール・ウィーク開幕】一番手飾る、「スキャパレリ」のエイリアン
1877年、ファッションデザイナーのエルザ・スキャパレッリの叔父で当時ミラノのブレラ天文台長を務めていたジョヴァンニ・スキアパレッリは火星の表面に広がる網目状の線を観測し、世紀の大発見を成し遂げた。それはのちに「火星人」という造語を生み出し、人類に地球外生命体の存在を想像させるきっかけとなった。 それから数百年の時を経て、「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」のダニエル・ローズベリー(Daniel Roseberry)クリエイティブディレクターはうした歴史的な縁から得たインスピレーションを込めたオートクチュール・コレクション最新作、「スキャパレリアン(Schiaparalian)」をこのほど、2024年春夏パリ・オートクチュール・ウィークで発表した。 古い携帯電話やマザーボードな...
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真のラグジュアリーの実践、「サンローラン」のパリ新旗艦店
高級ブランドのブティックがひしめき、なにかと悪評高いパリ・シャンゼリゼ通りにオープンした「サンローラン(SAINT LAURENT)」の新たなグローバル旗艦店は、飾り気のないクワイエット・ラグジュアリーの典型といっても過言ではない。大規模改修工事を経て昨年12月にお披露目されたばかりの同店は、広々とした売り場にコンクリートや石、木といった上質な建材を使ったミニマリスト・スタイルのインテリアで構成されている。コーディネートのアイデアはタイムレスなデザインを好むアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)クリエイティブディレクターが選んだもので、店内にはそれを象徴するかのようにアメリカン・モダンアートの巨匠ドナルド・ジャッド(Donald Judd)およびルドルフ・シンド...
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LVMHとTikTok、偽造品対策で連携協議か
動画投稿アプリ「TikTok」でブランド偽造品問題が横行するなか、LVMHが現在「TikTok」および親会社のバイトダンス(ByteDance Ltd.)と対策に向けて連携を協議中であることが一部報道により伝えられた。米ブルームバーグによると、協議の内容は、世界的に利用者が増え続ける「TikTok」のマーケットプレイス「TikTok Shop」上で「気品ある買い物体験」を啓発する活動を中心としたものであると、LVMH擁するコスメブランド「ベネフィット(BENEFIT)」のトト・ハバ(Toto Haba)グローバル・オムニマーケティング担当シニア・バイスプレジデントが明かしたという。 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「 クリスチャン ディオール(CHRISTIAN...
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大胆なスタイルと影響力。ピッティ・ウオモに現れる“クジャク”達の正体。
イタリア・フィレンツエで9日開幕した「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO、以下、ピッティ・ウオモ)」の初日、会場となったバッソ要塞(Fortezza da Basso)に、「ピッティ・ウオモ・ピーコック(ピッティ・ウオモの孔雀)」と呼ばれる男達が大勢現れた。メンズファッションのカレンダーの始まりを告げるメンズ見本市は数十年にわたり、イタリアの発展と成長を牽引してきたイノベーションの証として、クラシックなファッションブランドの最新作を披露してきたほか、海外からも数々の若手デザイナーや小規模レーベルが参加し、ショーを開催している。 「ピッティ・ウオモ・ピーコック」とは、そうした国際的ファッションの祭典に観客として参加する、大胆で華美、時にエキセントリックなフ...
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