「グッチ」、映画『ハウス・オブ・グッチ』公開で売上アップなるか?
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イタリアのラグジュアリーブランド「グッチ(GUCCI)」創業者一族の光と影を描いた映画『ハウス・オブ・グッチ(House of Gucci)』が先月米国で公開を迎え、全盛期の頃の「グッチ」のファッションに再び注目が高まっている。
映画は「グッチ」の公認を受けていないにも関わらず、絶え間ない宣伝やインタビュー、報道が行われ、主役のパトリツィア・パトリツィア・レッジャーニ役を演じたレディー・ガガやパトリツィアに殺害を企てられる夫のマウリツィオ・グッチ役のアダム・ドライバーら俳優陣らにより話題が沸騰した。
先週EC情報サイトLovethesales.comが発表したデータによると、「グッチ」のバックの検索件数が前週に比べて257%急上昇し、さらに洋服でも73%増となったという。さらにサンダルに関しても対前週比で75%増だった。
親会社は非公式に関与
「グッチ」の親会社ケリング(Kering)は映画の制作に関して衣装デザインや撮影場所の提供に加え、ケリングのフランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)会長兼CEOのパートナーである女優のサルマ・ハエック(Salma Hayek)ら「グッチ」につながりの深い役者を支持するなど、多数の協力を非公式に行なってきた。
また「グッチ」も、映画の中で当時の「グッチ」の服を着たレディー・ガガの画像や、同ブランドのアンバサダーで、ロサンゼルスで開催された試写会に「グッチ」のピンクのサテン3点スーツで現れたパオロ・グッチ役のジャレット・レト(Jared Leto)の写真を公式ソーシャルメディアに投稿している。
一方、リアルリアル(RealReal)などのラグジュアリー専門中古品再販サイトも「グッチ」マーケティングを強化しており、同サイトでは実際に購入可能な「グッチ」のビンテージバックやアクセサリーの写真をソーシャルメディアで宣伝している。
ケリングの2021年第3四半期の売上はわずか前期比3.8%増で、アナリストの予想を下回った。この結果について同社は「転換期の四半期だ」とし、第4四半期については新作の「アリア(Aria)」コレクションや「バレンシアガ(Balenciaga)」とコラボレーションした「ハッカー(Hacker)」コレクションに加え、『ハウス・オブ・グッチ』の公開が売上拡大につながるとの強い期待感を示している。
映画の売上に対する影響はいまだ見えず
「グッチ」は売上の70%を既存のレザー製品やアクセサリーが占めている。映画の公開で、過去の商品やアイコニックなアクセサリーの話題はケリングが期待する好材料になるかもしれない。