パリのイヴ・サンローラン美術館で金一色の展覧会が開催
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パリのイヴ・サンローラン美術館(Musée Yves Saint Laurent)で、デザイナーのイヴ・サンローランのコレクションデビューから60周年を記念し、サンローラン氏の特徴である煌びやかで金色に輝くデザインに着目した展覧会「ゴールド・バイ・イヴ・サンローラン(Gold by Yves Saint Laurent)」が開幕した。
会期は2023年5月14日までで、サンローラン氏のオートクチュールのデザインにおける金の影響を検証する。サンローラン氏が手がけたオートクチュール作品に加え、プレタポルテのドレスやアクセサリー、ジュエリーなど40点以上におよぶ展示品が並び、ゴールドの色味が同氏のシルエットのエッセンシャルな要素になるまでの軌跡をたどっていく。
ピーコートのボタンから、金を素材として作られたドレスなど、イブ・サンローラン氏のコレクションでは金が色や素材としてところどころに使われている。またその取り入れ方も、ブロケードやレース、スパンコール、レザー、刺繍といった手法を用いたり、布地に使ったり、ジュエリーや香水、ラメパウダーにしたりと幅広い。
金色は豊かさ・力・高級感を感じさせる色合いで、サンローラン氏はこうした金色のもつイメージを現代女性のための服に反映させた。そうすることで、金を単なる美しさを引き出すものとしてだけでなく、女性の力を体現するマニフェストに変えたのだ。
展示会では写真家のデヴィット・ベイリーが撮影した1966年の秋冬コレクションの宝石を散りばめたドレスのほか、バレエダンサーのジジ・ジャンメールや女優のカトリーヌ・ドヌーヴが着用したスパンコールのドレス、1980年春夏オートクチュールコレクションでモデルのヴィオレッタ・サンチェスがキャットウォークを披露した溶かした金を塗装したような質感のイブニングドレスなど際立つ作品が多数登場した。