バービカン、約10年ぶりとなる大規模ファッション展を開催

ロンドンの文化施設バービカンが、8年ぶりとなる大規模なファッション展を開催する。本展は「土や腐敗の持つ反抗的、遊び心、そして再生の可能性」に着想を得ており、2008年の「The House of Viktor & Rolf」展や2014年のジャンポール・ゴルチエ展の成功を基盤に、ビジュアルアートプログラムにおけるファッションへのコミットメントを再確認するものである。

「Dirty Looks」展は、バービカン・アート・ギャラリーのキュレーターであるカレン・ヴァン・ゴッドセンホーフェンが主導し、同施設におけるファッションプログラムの新時代の幕開けを告げるものである。本展は「学際的で画期的な芸術実践としてのファッション」に焦点を当てるとともに、今日のファッション業界の変化を反映し、「作り手、着用者、愛好家、そして自然環境にとってポジティブな創造力」としてファッションが活用されうる未来を提示する。

バービカンのビジュアルアート部門責任者であるシャナイ・ジャベリは、プレスプレビューで次のように述べた。「『Dirty Looks』は、バービカンにファッションが回帰したことを示すものです。芸術実践としてのファッションや、ファッションが私たちの生活にどう関わるかを探求する展覧会は、ここ10年近くありませんでした。また、この展覧会はビジュアルアートプログラムを学際的なルーツへと回帰させるものでもあります」。

バービカンによれば、「Dirty Looks」展はファッションを芸術表現の一形態として認識するだけでなく、「文化的、環境的、政治的な緊急課題を考察するためのレンズ」としても捉えている。同時に、ファッションが長年持ち続けてきた「ダーティ」な美学への関心を探求しており、JordanLucaの尿で汚れたジーンズ、ロバート・ウィンのワインの染みがついたイブニングガウン、バレンシアガの意図的に汚されたスニーカー、さらには泥沼に沈められた衣服などが挙げられる。

2026年1月25日まで開催される本展では、60人以上のデザイナーによる約120点のルックが一堂に会する。フセイン・チャラヤン、アレキサンダー・マックイーン、ヴィヴィアン・ウエストウッド、メゾン・マルジェラ、イッセイミヤケといった著名なメゾンやデザイナーに加え、パオロ・カルザナ、アリス・ポッツ、ミカエラ・スターク、Solitude Studios、エレナ・ベレス、Yaz XLなど新世代のデザイナーによる新作も展示され、現代の衣服が「汚れ」を通してどのように反骨精神を表現してきたかを探求する。

ジャベリはさらに次のように付け加えた。「この展覧会には、今日のファッションが何を意味し、何ができるかを根本から再構築している、世界中の幅広いデザイナーが集結しています。腐敗、再生、そして不完全さの美学に焦点を当てることで、『Dirty Looks』は、流動的な世界における美、価値、そして創造の再生力を再考する機会を私たちに与えてくれます」。

バービカン「Dirty Looks」展：その内容

バービカンの「Dirty Looks」展は、ファッションがどのように「ダーティ」な美学を取り入れてきたかを考察する。泥へのノスタルジアを辿ることから、裂け目や染みで昇華されたダメージ加工のロマンティックなガウン、さらには血や汗、尿で人工的に汚されたルックまで、そのすべてを通して「この腐敗への欲求は、私たち自身とファッションの現状について何を物語っているのか？」という問いを投げかける。

この展覧会は単にアーカイブから作品を集めただけではない。バービカンは、私たち自身の身体の「不潔さ」やファッション業界の廃棄物の流れと私たちを対峙させる、ファッションの破壊的な可能性を考察している。また、植民地主義的な態度や先住民の視点の影響を検証するとともに、アップサイクル素材や再生テキスタイル、さらには抜本的に再利用されたデッドストックといった代替的な実践方法を提示する。

見どころの一つとして、フセイン・チャラヤンによる、土に埋められ酸化した衣服のインスタレーションが挙げられる。これには、1993年の卒業コレクション「The Tangent Flows」で発表されたルックも含まれており、デザイナーが「未来の考古学」という概念のもと、ファッションのライフサイクルを象徴するために埋めて掘り起こしたものである。時間、儚さ、再生、そして復活を詩的に表現している。

続いて、ヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンによる1983年秋冬のポストパンクコレクション「Nostalgia of Mud」が展示される。イッセイミヤケ、アレキサンダー・マックイーン、ディララ・フィンディコグル、そしてスペイン人デザイナーのミゲル・アドロヴァーのルックも並び、アドロヴァーのガウンは鳥の絵が手描きされた後、砂のような古色を出すためにナイル川のほとりに2週間埋められたものである。

次の部屋は「Romantic Ruins（ロマンティックな廃墟）」をテーマとし、「美しくも朽ちていく」というアイデアを探求するルックが展示されている。廃墟の美学の例として、アレキサンダー・マックイーンの物議を醸した1995年秋冬コレクション「Highland Rape」から、引き裂かれ泥で覆われたフローラルレースのドレスや、ヴィクター＆ロルフによる、銀のスパンコールで覆われたダメージ加工のウールで作られたボリュームのあるドレスなどが挙げられる。

その他の見どころには、すたびれたデザインの衣服が挙げられる。セーヌ川沿いで眠るホームレスから着想を得て貧困をロマンチックに描いたとして物議を醸した、ジョン・ガリアーノによるディオールの2000年春夏コレクションや、ガリアーノがメゾン・マルジェラで手掛けた2024年春夏コレクションから段ボールのように見えるプリーツ加工が施されたコットンスカートが展示されている。また、ヴィヴィアン・ウエストウッドの1991年春夏コレクションでは、スラッシュ（切り込み）の技法によって下に着用した豪華なシャツをのぞかせている。

「装飾としての染み」に特化した部屋もあり、ペンキ、泥、化学処理、ワイン、口紅、アイロンによる焦げ跡などで意図的に汚された作品が並ぶ。また、別の部屋では、尿で汚れたジーンズや、月経、母乳、尿の染みを模した加工が施されたDi Petsaの衣服など、体液というタブーな主題を考察している。

さらに、マー・クーの手作りコレクション「Wuyong/The Earth」（2006-07年）から3つのルックによるサイトスペシフィック・インスタレーションも展示されている。これは、中国の農村地域の女性たちが実践してきた古代の工芸技術を用いて、木材、リネン、プラスチック、防水シートなどの廃棄素材を再利用したものである。また、アメリカ人デザイナーのエレナ・ベレスによる新作フィルムとディスプレイも展示されており、彼女の2024年春夏コレクション「The Longhouse」の作品が紹介されている。このコレクションは泥レスリングのフィナーレで締めくくられた。

バービカン、展示の一環に新進デザイナーに作品を依頼

階下の展示では、新世代の新進デザイナーに焦点を当てており、バービカンは「芸術的実験」を通して土や腐敗を表現する特別作品を依頼した。見どころとして、自身の汗で豪華なガウンを染め、体液にまつわる羞恥心や礼儀正しさの概念を探求するバイオデザイナー、アリス・ポッツの作品が挙げられる。また、デンマークのブランドSolitude Studiosは、鉄器時代にデンマークの沼地が豊穣や幸運を祈る供物の場であったことを参考に、沼に沈めた布をコレクションに使用している。ロンドン・ファッション・ウィークで人気のパオロ・カルザナは、オーガニック素材や再利用素材から作られた手作りの草木染め衣服を特徴とする、3シーズンにわたる物語「Trilogy of Hope」（2024-25年）を披露している。

展示の背景もまた視覚的に印象的である。ファッションショーや演劇のパフォーマティブで最先端なデザインで知られるStudio Dennis Vanderbroeckによるセットデザインが、土と腐敗のテーマを体現している。上階のギャラリーでは、意図的にひび割れ、崩れかけた漆喰の壁や、完璧にタイルが敷かれた部屋がわざと汚され、液体が漏れ出た惨状のように彫刻されるなど、徐々に腐敗していく様子が表現されている。一方、新進デザイナーに割り当てられた階下は、ファッションクリエイションの源であるトワルで覆われている。一見すると、その生地は目に心地よく、包み込むように見えるが、よく見るとドレープは「過剰に施され、摩擦を生じさせ、ほとんど不快にさえなるような過密な空間を作り出している」。展覧会終了後、このトワルはセントラル・セント・マーチンズの学生に寄贈される予定だと主催者は付け加えた。

展覧会について、ヴァン・ゴッドセンホーフェンは次のように付け加えた。「この展覧会のきっかけは、セントラル・セント・マーチンズの卒業制作展を訪れたことでした。そこでは、若いデザイナーたちがそれぞれ独自の方法で、時の経過や腐敗という考えだけでなく、再生や復活という考えにも取り組んでいるのを目の当たりにしました。なぜなら、彼らはすでに多くの既存のファッションが存在し、ファッションにおける汚れや廃棄物という考えがどこにでもある、広大な世界のファッション業界に足を踏み入れようとしているからです」。

「この『汚れ』というメタファーは、一部の衣服における単なる視覚的な美学以上のものであると思います。それは、1980年代初頭のヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンによる泥へのノスタルジアのように、デザイナーが自分たちの時代の危機、つまり1980年代の緊縮財政政策に対する喜びにあふれた抵抗を示す方法でもあります。一方、フセイン・チャラヤンの『The Tangent Flow』コレクションは、衣服の詩的で深く哲学的な埋葬を提示しています」。

「汚れは、実際にはファッションにおける芸術的実践の刷新のメタファーであると考えています。そして、本展で紹介されているデザイナーの一人、ミゲル・アドロヴァーが言うように、汚れはトレンドではありません。それは、私たちに共通の人間性や感情とのつながりを象徴するため、尊厳を意味するのです」。