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2020秋冬ファッションウィークに見るイノベーション

By Trendstop

2020年5月13日

各国で予定されていた2020秋冬のファッションウィークは、業界の持続に加え、安全性・サステナビリティの推進、アクセシビリティの向上と、諸々の課題に対応すべく様々な組織的転換が図られた。

今回FashionUnited誌では、 こうしたファッションウィークでの最新の取り組みからポスト・コロナの業界像にも影響を与えるであろう画期的なイノベーションを本誌読者に向けて特別に紹介していく。

リモート・デザイン

新型コロナ感染が世界中に拡大し、デザイナーは新作のデザインはおろか、その発表方法にも想像力を働かせなければならなくなった。ミラノコレクションの中止に引き続き、出身地である上海もロックダウンとなったエンジェル・チェン(Angel Chen)は自宅で新作の縫製を行い、コレクションの発表を戦略的に5つの異なるオンライン・プラットフォームで発信した。モデルへの指示やスタイリングはチェン本人が自己隔離またはソーシャルディスタンス・ガイドラインに則った対応をした上でビデオ通話にて行い、ショーの背景にはデジタル制作した画像が使われた。一方、東京ファッションウィークでも感染拡大の初期段階に従来のショーから無観客でのストリーミング配信に切り替えることが検討された。

左から、それぞれ「オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)」20-21秋冬コレクション、「エンジェル・チェン(Angel Chen)」2020春夏コレクション、「プラダ(Prada)」20-21秋冬コレクション(画像提供:Trendstop)

ファッションウィークもデジタル化

東京や上海での事例をヒントに、他の都市でのファッションウィークも外出自粛で自宅にいる観客にリーチするためテクノロジーを駆使した新たな手法を模索している。もはや現時点で従来型の運営は難しいものの、ファッションウィークの主催団体はグローバルな観客とつながるため新しいプラットフォームの利用を進めている。ロンドンファッション協議会(London Fashion Council)は6月に予定されていたメンズ向けのイベントをデジタルのみのモデルに切り替え、デザイナーのアイデアを共有したり、新作コレクションを発表したりする場を提供するという。ヘルシンキファッションウィークの主催団体も総デジタル展開を進める。もともと環境危機を訴えることを目的に企画されていたこともあり、タイミングも良く、3Dファッションショーなどの最新鋭の技術を演出に取り入れていく。

左から、それぞれ「ヴェルサーチェ(Versace)」「ラグ&ボーン(Rag & Bone)」「バーバリー」の20-21秋冬コレクション(画像提供:Trendstop)

新たなコミュニティの形成

各国のファッションウィークに関連した周辺イベントについても昨今の危機を受けて企画内容が見直されている。デニム専門イベント「キングピン(Kingpins )」などの展示会がオンラインのライブ・イベントを企画しているほか、ロンドンファッションウィークのデザイナーショールームもデジタル化されることが決まっている。コミュニティがかつてないほど重要視される現在の状況下で、こうした新たなイベントの誕生はブランドやデザイナー、業界、そして広く一般との内なるつながりを深めるとともに、ポッドキャストやインタビュー、オンラインセミナーを介した双方向性やアクセシビリティの向上、デジタル領域でのビジネスネットワークの支援につながっていくことが期待される。

左から、それぞれ「ダンヒル(Dunhill)」「MSGM」「グッチ(Gucci)」の20-21秋冬コレクション(画像提供:Trendstop)