2021春夏 パリ服飾生地見本市ハイライト
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今季もパリで服飾生地見本市「プレミア・ビジョン(Premiere Vision)」「テックスワールド(Texworld)」「インターフィリエール(Interfiliere)」が開催された。トレンド予測を発信するトレンドストップ(Trendstop)がこれら三つのイベントから2021年春夏の服飾生地最新動向をFashionUnited読者のために独占紹介する。
2021春夏シーズンの服飾生地見本市ではプリントやテクスチャーに再度焦点が当てられた。ボタニカル模様や芸術的なデザイン、装飾を贅沢に施した生地のほか、これとは対照的に機能的で耐久性の高い定番素材を改良した新しい生地も登場した。技術革新性を追求した製品も未だ健在であるが、今回はやや控え目。一方、今回も引き続きサステナビリティが各見本市の中心的コンセプトとなり、生地メーカー各社が循環型ファッション実現に向けた取り組みや各製造過程における環境保全活動をアピールした。
今週の記事ではこうした見本市に見る21春夏シーズンのトレンドから実用性と性能を兼ね揃えた「ユティリティ・リップストップ」、伝統的な技法を現代風に刷新した「コンテンポラリー・シャーリング」、斬新で描写的かつ芸術性の高い「ボタニカルプリント」の3つのキーワードから服飾生地の最新トレンドを紐解いていく。
ユティリティ・リップストップ
キャンバス地にワークウェアっぽさを加えて、高性能のリップストップに実用性をプラス。丈夫で形くずれしにくい構造で布地を強化するとともに、マットや艶のあるワックスのコーティングがさらに衣類を様々な環境で保護。さらにワックスコーティング部分を削ったり、擦ったりすることでデザイン性のある表面を作り出すこともできる。
コンテンポラリー・シャーリング
実験的な制作技法や現代的なカラーを使いモダンにアレンジされたシャーリング生地。見本市では 極細のタイトなプリーツのほか、柔らかなうねりが布地に波打つ独特な縮れを描き出す太めのプリーツ、光沢のあるストレッチ素材のプリーツなどが登場した。
ペンシルラインのボタニカルプリント
ボタニカルプリントが、鉛筆描きの植物画を思わせるようなラインやスティッチをあしらい現代的なイラストに変身。純朴さを醸し出す芸術的に解釈された草花や、よりグラフィックな印象を与える黒く太いラインが特徴的。
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