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パリコレ2021秋冬:5つのトレンド

By Barbara Russ

2021年4月3日

だんだんと陽がのびて、まぶしくなっていく今日この頃。パリではファッションウィークが開かれ、デザイナーたちが2021年〜22年の秋冬コレクションを発表し始めている。今季もパンデミックのためパリコレはバーチャル開催となり、多くのブランドが動画でのショーを披露した。

今回のパリコレに向けては、各ブランドが日常の中の非日常的な空間を求めてユニークなセッティングでのショーを演出した。観客参加で開催した数少ないブランドの一つ「コペルニ(Coperni)」はゲストが自分の車に乗ったままショーを観覧するドライブシアター形式のショーを開催。パリのアコー・スタジアムを舞台に、集まった観客の車のヘッドライトでランウェイを照らしてもらうことで観客を巻き込む仕組みを盛り込んだ。「バルマン(Balmain)」はランウェイ(滑走)の響きにふさわしく、パリ=シャルル・ド・ゴール空港のエールフランスの機体格納庫でショーを展開。「イザベル マラン(Isabel Marant)」は未来的な建造物に見立てたパリ郊外の古いガレージでコレクション動画を撮影した。

「必要は発明の母」というが、今回のパリコレでは会場の選択のみならず、そのインスピレーションの探究にまでトレンドが反映された形となった。対面式の展示会や商談が難しくなり、デザイナーたちは既知の知識の中でインスピレーションを探し求め、これまでのアイデアを2021年に向けて再利用・再構築、あるいは進化させた。

写真: Balmain, Coperni, Chanel – AW21 via Catwalkpictures (From left to right)

1.ベリーボタン(へそ)&ヒップ

それは時間の問題だった。2000年代初期に登場したトレンドが2021年秋冬でフルに展開。2000〜2010年に流行した「ヘソ見せ」とウエストを低めにした「ヒップハング」という2大ルックスがカムバックしたのだ。パンツも当時よりは腰が低くはないものの、ヒップ部分に重きをおいたデザインが再び注目を集めている。

「バルマン」の新作パンツはウエストの位置こそ低くないが、腰まわりにゴールドのチェーンをあしらってヒップを強調。

「コペルニ」からはヘソ見せスタイルに腰骨の少し上にウエストを合わせたパンツが登場。「セバスチャン・メイヤー(Sébastien Meyer)」と「アルノー・ヴァイヤン(Arnaud Vaillant)」はグラマラスなワークウェアのスタイルにスポーツウェアの要素や同じく2000〜2010年代にトレンドとなったラインストーンの装飾を足した。

ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)は「シャネル(Chanel)」の新作コレクションで部分的にメッシュを使い腰周りのチェーンベルトが際立つヒップハングのルックスを披露。「シャネル」にしてはかなり大胆でトレンディなコレクションとなったが、従来の顧客層のお眼鏡に叶うクオリティを保ちつつ、新たなオーディエンスの開拓を図った。

写真: Balmain, Isabel Marant, Marine Serre – AW21 via Catwalkpictures (From left to right)

2. 70年代ファッション

レザーコートやフレアパンツ、さらには伝説のクラブ「スタジオ54」ルックなど、各ブランド新作のいたるところで70年代ファッションが復活。特にブラックレザーのコートやブレザーはほぼすべてのブランドのコレクションでお目見えした。「マリーン セル(Marine Serre)」や「クロエ(Chloé)」はレザーをパッチワークで使い、一方、「アルチュザラ(Altuzarra)」はオックスブラッド(赤褐色)カラーのパンツ&オーバーシャツのアンサンブルで展開。「クレージュ(Courrèges)」もさまざまな手法でレザーを取り入れている。

「バルマン」ではオリヴィエ・ルスタン(Olivier Roustein)クリエイティブディレクターがメゾンの過去のコレクションに回帰し伝統的な”PB”のモノグラムのアイテム複数種類を発表。「ヴェルサーチェ(Versace)」も同様にクラシックな「ラ グレカ(La Greca)」模様を多彩なカラーで展開したスタイルを披露した。ブラウンやカーキ系のカラートーンやセーター、大きく開いた襟の形も70年代を彷彿とさせる。

写真: Chloe, Loewe, Cecilie Bahnsen – AW21 via Catwalkpictures (From left to right)

3.キルティング

ガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)が「クロエ」で初めて手がけたコレクションではキルティングのコートが登場。素材には非営利団体シェルタースーツ・ファンデーションとのコラボによりアップサイクルされた古いコレクションの再生材が使われ、社会性と美の両極を体現した。キルティング人気はすでに全開で、ブランケットのようなコートも引き続きトレンドとなっているが、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)率いる「ロエベ(Loewe)」の新作キルティングジャケットは、まるで巣ごもりの心地よさをストリートに連れ出したような遊び心を感じる。また「セシル バンセン(Cecilie Bahnsen)」はパステルカラーのキルト・ドレスを発表したほか、「ミュウミュウ(Miu Miu)」からはスキーウェアからボディスーツまで、キルティングのフル・ラインが勢揃いした。

写真: Koché, Dior, Versace – AW21 via Catwalkpictures (From left to right)

4.ヘッドスカーフ

「ヴェルサーチェ(Versace)」はパリコレの正式枠内ではないが、3月5日に2021年〜22年の秋冬コレクションを発表。特に男性および女性モデルが身につけたヘッドスカーフが印象的であった。シルクのヘッドスカーフは「ディオール(Dior)」でもお目見えし、「コシェ(Koché)」は野球帽の下に身につけるというスタイリングを提案した。

5.白と黒、そしてショッキングピンク

「ロク(Rokh)」「ヴァレンティン ユダシュキン(Valentin Yudashkin)」「マーシャ・マ(Masha Ma)」「ジバンシー(Givenchy)」(一部除く)がカラフルな色使いを避け、白や黒のモノトーン、または白黒のコンビネーションを選択。ほかのブランドでも黒をピンクやネオンカラーの引き立て役に使う傾向が見られている。黒も白も実際にはトレンドとは言えないが、二色は「世界が危機に陥った年、デザイナーとしてクラシックな定番トーンを選ぶか、遊び心にあふれた楽観的なカラーを選ぶか」という中心的な質問を投げかけ、デザイナーたちは千差万別にその答えを見出している。

ショッキングピンクと言えば、タイムレスな華麗さを持つ「ココ シャネル」とは対照的な自身の香水を「ショッキングピンク」と名付けたエルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)の永遠の代名詞である。そんな「スキャパレリ」の現クリエイティブディレクターを務めるダニエル・ローズベリー(Daniel Roseberry)は2021年秋冬パリコレでエルザもきっと気に入ったであろう力強いコレクションを披露。「ブロンド・アンビション・ツアー」の頃のアーティスト・マドンナのイメージやグレイス・ジョーンズのアイコニックなルックスをモチーフに、シュールなゴールドのジュエリーを合わせたスタイルをデザインした。

「ランバン」からもショッキングピンクのメンズのスーツやカクテルドレスを発表。2004年リリースのグウェン・ステファニー(Gwen Stefani)の“Rich Girl(リッチガール)”のミュージックビデオを半ばリメイクしたようなランウェイ動画では、パリのホテルでデカダンスを謳歌する仲間たちをイメージしたモデル達の姿が映し出され、ラッパーのEve(イブ)もゲスト出演した。

「イザベル マラン(Isabel Marant)」は襟やポケットのフラップ、腕まわりにピンクを散りばめたセーターが一際目を引いたほか、刺繍やブラウスにもショッキングピンクを取り入れた。また、「シャネル」「バルマン」「ミュウ ミュウ」のコレクションでもショッキングピンクが散見された。

写真: Givenchy, Schiaparelli, Masha Ma – AW21 via Catwalkpictures (From left to right) メイン画像 Loewe HW21 via Catwalkpictures