2023年秋冬メンズ・キャットウォークのキー・カラー

トレンド予測を発信するTrendstopが、FashionUnited読者に向けて2023〜2024年秋冬シーズンのメンズ新作コレクションのショーで浮上した最新カラートレンド・レポートをお届けする。

今季のランウェイのカラーのキーワードは「テーマ性のある色使い」。特に個性的な色や繊細な色合いのバリエーションで構成されたカラーパレットで季節感を表現する手法が散見された。自然への新たな敬意や地球との関係性を呈するものとして慎重に、かつ考慮の末選ばれたその色の数々は、それぞれに深い意味を持つ。

誠実な、普段着の青「Honest Blue」

それはただの青ではない。「Honest Blue」は、社会で不誠実な事件が続く現代において重要な価値観を表現する青だ。純粋で飾り気がないその色は、濃淡を変えることで頭からつま先まで全身にコーディネートできる万能カラー。ニットやウールのフェルト、ウォッシュドデニムのように着心地のいい服のほか、通常派手な色が主流のスポーツウエアに使えばソフトな印象を演出できる。

草深い緑「Garden Green」

緑色がそのルーツをたどり、自然の力に導かれてゆっくりと茂っていく庭の草木をイメージさせると同時に人々の植物とのつながりを取り戻したいという人々の欲求を象徴する色へと変化。どことなくよどんだ緑の色調は下草を彷彿とさせる。無地で展開したもののほか、マット感や光沢感を出したもの、プラスチックに着色したもの、メタリックな生地に被せたものなど、バリエーションも豊富に登場した。

リッチなハニー・ブラウン「Honeyed Thorn」

クラシックなブラウンが持つ土っぽさをそのままに、暖かみのある黄色のアンダートーンを加えてよりリッチな雰囲気に。ハチミツやキャラメルを思わせる色合いは、季節を超えて使えるという利点も。カジュアルなスタイルやスポーツウエアとして全身を一色でまとめたり、洗練されたラグジュアリーなアクセサリーに使って高級感を出したりと、Honeyed Thornはステートメントと使いやすさの両方を同時に叶えてくれる。