キャットウォークに見る、2023年秋冬ウィメンズのキー・カラー
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トレンド予測を発信するTrendstopがFashionUnited読者に向けてお届けする、キー・カラー予想。今回は2023年秋冬のランウェイコレクションに見る注目のカラーをご紹介。
今秋のカラーパレットの特徴は、「現代風にアレンジを加えたナチュラルカラー」。草木の匂いを感じるボタニカルな色合いや、アースカラーが変化し続ける時代の視点で再解釈され、自然への敬意を表しながら、バーチャルおよびフィジカルな世界で繰り広げられる人と人の関わり合いをさりげなく感じさせる色へと変化した。
エコ・アプリコット(Eco Apricot)
自然をルーツとするエコ・アプリコットは、上品さや成熟さを表現。温かみのある黄色とオレンジをベースにしたあらゆるファッションに万能なニュートラルカラーがエコ・ポジティブな雰囲気にアップデートされ、ドレスやアクセサリーなど全身どこに取り入れてもソフトで明るい印象を与える。また、太陽に照らされた光のようなアンダートーンは、ニットのレイヤード・セットアップやサステナブル・カラー・デニム、エレガントで空気のように軽いシアー素材など、多様な生地に取り入れることでパッと明るい表情を演出できる。
ポリューテッド・マッシュルーム(Polluted Mushroom Tones)
人間が環境に及ぼす影響に対する消費者の意識の高まりを受け、キノコを思わせる茶色がダークで濁った色になって登場。ちなみに、ポリューテッド・マッシュルームの「ポリューテッド(Polluted)」とは“汚染された”という意味の英語。グレーのアンダートーンや汚れた黒い表面が、現在の自然の状況を反映し、名実ともにアースカラーのウールやデニムに深みを与える。特に若年層向けのカジュアルウエアで多く見られるこの色は、気候変動問題にセンシティブなZ世代からも共感を得ている。
メタ・ジェイド(Meta Jade)
デジタルとフィジカルの領域の溝を埋める架け橋の色、メタ・ジェイド。そのハイパーリアルな色味は、現実の環境とメタバースの人工的な自然をインスピレーションにしている。緑が醸し出す落ち着きや生命感が、青々としたバーチャルなポップアートのアクセントで昇華され、ステートメントとしてドレスなど全体的に使ったり、暗い背景でデザインを引き立たせるデジタルプリントとして展開したりできる独特なカラーを生み出している。