• Home
  • News
  • ファッション
  • 復活!「ベルボトム」:ランウェイから街中まで〜’22年春夏注目のトレンド

復活!「ベルボトム」:ランウェイから街中まで〜’22年春夏注目のトレンド

By Léana Esch

2021年10月12日

ファッション

ここ数年ワードローブに定着したスキニージーンズ同様に、流行のサイクルを繰り返すベルボトムパンツ。その起源は米国海軍で、19世紀初頭に水平が制服がわりに着ていたのが始まりだ。同世紀の半ばに入ると英国王室海軍の制服として正式に採用されたが、当時の主流は裾を簡単にまくり上げることができる実用的なものであった。

それから1世紀後、ベルボトムは1960年〜70年代に活況であったヒッピー文化とともに人気が上昇し、サボサンダルやキューバンヒールのブーツなど踵が高めの靴に合わせたスタイルが流行した。ピッタリとした太もも周りに、膝から下が徐々に幅広になっている鐘(ベル)のような見た目から「ベルボトム」と名が付いたが、フレアパンツと呼ばれることもよくある。以来、裾が一段と広くなっている「ルーンパンツ」や靴まですっぽり隠れる「エレファントベル」などさまざまなバージョンができ、1990年台半ばには裾の広がりを少し抑え、よりピッタリとしたシルエットの「ブーツカット」が登場した。

2000年以降ベルボトムは徐々にコレクションから姿を消し、2010年代に入るとほとんど見られなくなった。しかしここ1、2シーズン、そんなベルボトムが華々しいカムバックを遂げているのだ。ランウェイではレギンスやデニム、スーツパンツなどで裾をフレアにするスタイルが次から次へと登場。2022年のコレクションでも、「モスキーノ(MOSHINO)」のレトロな黄色と緑のストライプのベルボトムをはじめ、「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」や「ヴェルサーチェ(VERSACE)」がデニム素材のオーバーサイズのタイプや、装飾を施したスムースなシルエットが発表されている。また、「ボクダー (BOGDAR)」は裾の正面部分にスリットを入れて現代風にアレンジしたほか、「16アーリントン(16ARLINGTON)」は靴が隠れるほどの超ロング丈を披露した。

Moschino Resort 22; Amiri SS22; Sportmax SS22. Catwalk Pictures

ベルボトムの再燃

ここ数シーズンにわたり多くのデザイナーが新作に取り入れたこともあり、フレアスタイルのベルボトムパンツは再びファッショントレンドとして人気が再燃している。デザイナー達の盛り上がりぶりは1960年代や70年代前半にも劣らないほどだ。

ベルボトムの人気の秘密は、そのレトロな趣だけでなく、現代のワードローブとしても使い勝手がいいこと。幅広の裾は他にはないほどすらっとしたシルエットを作り出し、そのすっきりと美しいルックスは視線を奪う。ベルボトムにはこの時代にふさわしいビンテージなインスピレーションがあることは確かだが、その魅力は人を惹きつける不思議な力である。ブルーデニムのベルボトムは手軽に白シャツやクラシックなローファーとコーディネートでき、黒のコットン素材のものならタイトなブレザーやゆったりとしたセーターとの相性も抜群。組み合わせは無限で、一枚でも十分に存在感のあるベルボトムは、世代を超えて愛されるファッションアイテムなのだ。

またベルボトムは、スタイルだけでなく、価格帯もさまざまな商品が流通している。今季は「フリーピープル(FREE PEOPLE)がバブルピンクやネオンオレンジなど鮮やかな色で展開したオーバーサイズのベルボトムデニムを発表。さらに、「プル&ベアー(PULL & BEAR)」や「ブーフー(BOOHOO)」などのリーズナブルな価格帯のブランドも、ウエスト部分に空いた丸いカッティングが特徴的なブラックのベルボトムや薄いウォッシュカラーバージョンなどを展開。ほかにも、デニムブランドの代表格「リーバイス(LEVI’S)」も新たなクラシックとなること間違いなしの「70’s High Flare Jeans」を披露しているほか、「グッチ(GUCCI)」は裾にロゴを入れたテイラードスタイルのフレアパンツを発売した。

装飾を施したグラマラスなスタイルから、タイムレスな黒のパンツスーツまで、ベルボトムは形を変えて数十年間ファッションシーンを往来している。一つだけ確かなこと。それは、ベルボトムが来春のトレンドになるということ。これからのシーズンに有り余るほどのベルボトムを目にすることだろう。

画像: Ermanno Scervino SS22; Egonlab SS22; Versace SS22. Catwalk Pictures