【‘24春夏FW】ウィメンズウェアのベストコレクションTOP3
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今季のFWでは、参加したデザイナーたちによるフィジカルとバーチャルな世界の融合が実現。リアリティと文化的ヘリテージ、過去へのノスタルジアとメタバースに由来するインスピレーションやフューチャリズム、テクノロジカルな要素とを掛け合わせた、新しいハイブリッドなデザインが多数披露された、
「ミュウミュウ(MIU MIU)」
現実性を求める現代の文化を模索した最新作では、拡大し続ける美意識の定義を検証。それを象徴するのが、口が開いたままのバッグにヒールやソックス、ストラップを合わせたスタイリング。服は生活感を醸し出し、一方、コレクションの至るところに見られる陽気なローライズのスイムパンツやショートパンツ、スカートは、無駄を省いたシンプルな美しさを表現している。シャツとセーターの上にブロケード製の金色のドレスを重ねた着崩したルックスは、馴染みのある服をフレッシュなスタイルに変身。また、ショーの冒頭では、チェックのシャツ、クロップドブレザー、ローライズのミニスカートなど学生服を思わせるルックスがお目見えするなど、コレクションでは隠れたテーマである「プレッピー・ビンテージ」が至るところに散りばめられていた。他にもアンティークなランジェリーをアウターに使い、モヘアのテーラリングを合わせたルックスや、アメリカンスタイルのビーチウエア、ラグビー・ポロシャツなども登場した。
「スポーツマックス(SPORTMAX)」
「庭師のバラード(A Gardener’s Balla)」と題するコレクションを披露した「スポーツマックス」は、進展するテクノロジー主導の世界で変わりゆく人間と自然との関係を探究。日本文化および、フューチャリズムと伝統との融合をインスピレーションに、純粋さにフォーカスしながらも、清らかかつテクニカル素材を使い自然と関連した複雑なデザインを発表。アイテムでは、壊れた電気回路のワイヤーから生える花のモチーフを配したドレスに加え、シグネチャーなエレメントを水色や白、アシッド系のアクセントカラーで展開したピース、宇宙時代を彷彿とさせる立体的なハンドバッグなどが登場した。アーキテクチュラルなチューブ型や長方形、あるいは「芸者」の儀礼的な服装に着想を得た彫刻的なシルエット、花柄のジャカートや光沢感のあるPVC、クリニカルなシアー素材のレイヤリングなど、微妙なニュアンスを付加した生地使いも特徴的。
「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」
手仕事のディティールや上質なテイラーリングを使い、隅々まで染みわたる現代の女性らしさを表現。インダストリアルな要素に、チュールの束や遊び心溢れるプリントを組み込み、ミラーボールに照らされダンスフロアと化したランウェイに相応しい予想外のデザインを生み出した。カラーパレットも同様に、天然色や褐色といった色合いに繊細なパステルカラーを加えるという常識破りな展開を試みた。最先端のコンセプトと、コンテンポラリー・ストリートウェアとの間で均衡を測り、力強いミニマルなルックス
を作り上げるとともに、アクセサリーには実用的なカーゴポケットを模した機能性を追求したバッグも登場。デニムやレザーはひび割れ塗装やクレイのような質感を与えるよう加工を施し、ウエストラインを極端に引き下げたドロップウエストのスカートなど、見た目にも触り心地もよいアイテムに仕立てられた。サテンのように艶のあるジャージ素材のドレープを身頃にあしらったドレスは、Y2Kのパーティーウェアを思い出させる。