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’25-26年秋冬のカラーパレット3選〜ファッション・スヌープ予測

By Barbara Russ

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ファッション
'Savory Brights' colour palette for A/W 25/26 Credits: Fashionsnoops

ファッショントレンド予測会社「ファッション・スヌープ(Fashion Snoops)」のカラー・エキスパート、ハリー・スプラッドリン(Hallie Spradlin)と ジョアン・トーマス(Joanne Thomas)はこのほど、2025-26年秋冬シーズンに向けた新色カラーパレット&キーカラーを発表した。両氏によると、これらの色は、これまで慣れ親しんだ安全圏を抜け出す攻めの姿勢や冒険心を核としたデザインが来秋を彩ることを期待させるものだという。

「セイボリー・ブライト(Savory Brights)」

「セイボリー・ブライト」のカラーパレットは、料理の世界にインスピレーションを得ている。食欲をそそわれるようなスパイシーで美味しさ湧き出る色合いは、2025-26年秋冬のカラー・ディレクションの主役になるだろう。パレットを構成する色も、それぞれ「チリ・オイル(Chilli Oil)」「ライム・ゼスト(Lime Zest)」「ソイ・ソース(Soy Sauce)のように食材をヒントに名付けられ、意外性を醸し出すとともに味覚を刺激す。さらに2025年の夏の色として登場した、ベリーのような紫系の「ジュピター(Jupiter)」も含まれている。

カラーパレットの中心色「アージェント・オレンジ(Urgent Orange)」は、炎のような力強さを引き出し、パコ・ラバンヌ(Paco Rabanne)、マリー・クヮント(Mary Quant)、 ソニア・リキエル(Sonia Rykiel)、 ヴィダル・サスーン(Vidal Sassoon)に代表されるグルービーな60年代のバイブを奏でる。

さらに「セイボリー・ブライト」の大胆な色合いは、ヴィーガン素材や次世代繊維の雰囲気を持つとともに、全体として新たな始まりや探究、イノベーションを感じさせる。2024-25年秋冬の「Eerie Greens」や2025年春夏の「Unsettling Brights」のカラーパレットを引き継いでいるのもこの色たちの特徴だ。

‚Practical Neutrals' Credits: Fashionsnoops

「プラクティカル・ニュートラルズ(Practical Neutrals)」

「セイボリー・ブライト」とは対照的に落ち着いた雰囲気を持つ「プラクティカル・ニュートラルズ」は、実用的かつタイムレスな中間色により構成されている。クワイエット・ラグジュアリーに対する支持は来秋も衰えず、エコなファッションを強調するアプローチとして洗練された麗しさや、さりげない上品さのある素材、あえて主張しない色使いに注目が集まる。インベストメント・ピース、サステナブル・ファッション、クラシックなルックスのどれにも適したエレガントなカラー・パレットは、安定や持続性、信頼性を想起させる。

起毛ウールやデニム、ゆったり目のニットウェア、貴金属などと相性がいい「プラクティカル・ニュートラルズ」は、コンシャスな意思や安定、洗練さを引き出す。構成色のうちの2色は2025年春夏カラーの「パドル(Puddle)」 「ウォッシュド・ブラック(Washed Black)」で、両色とも季節を超えて使えるタイムレスな要素を表現している。またそのほかの色として、「ソフィスティケイテッド・セージ(Sophisticated Sage)」「ブラウン・バター(Brown Butter)」「クリスピー・ネイビー(Crisp Navy)」「パティー・ベージュ(Putty Beige)」が加えられている。

「プラクティカル・ニュートラルズ」のアンカーカラーは、「パドル」。不変で流行にとらわれず使える汎用性を秘めたグレージュだ。まるでキャンバスのように前述の「セイボリー・ブライト」のパレットの大胆な「ライム・ゼスト」や、ソフトな紫「スムージー(Smoothie)」などと自在に組み合わせられる万能さにもかかわらず、「ブラウン・バター」「ブレーズド・ブラウン(Blazed Brown)」といった暖かみのあるニュートラルカラーともよく調和する。

このカラーパレットが体現するのは、「目的と審美性を変え揃えた、実用的なミニマリズム」であるとカラー・エキスパートたちは強調する。植物由来のタンニングを施したレザーなど、耐久性のあるフォルムや素材に相応しいサステナブルな選択肢。それが「プラクティカル・ニュートラルズ」なのだ。

’Artisanal Midtones' Credits: Fashionsnoops

「アーティサナル・ミッドトーンズ(Artisanal Midtones)」

自然をそのまま色にしたような「アーティサナル・ミッドトーンズ」は、クラフツマンシップに大きくインスパイアされた特に秋冬向けにおすすめのカラーパレット。その核を為すのは、オーガニックな素材や素朴なルックス、環境に配慮したサステナブルな染色方法だ。

2025年夏シーズンの鮮やかな黄色「サルファー(Sulphur)」は迫力があり、自然界に由来する「ミネラル・ブルー(Mineral Blue)」「オリーブ・テレイン(Olive Terrain)」「ナチュラル・ティール(Natural Teal)」は、海岸に打ち上げられるかすんだ荒々しい波の青や緑を彷彿とさせる。さらに「テラコッタ(Terracotta)」と同系の「コーラル・ブレーズ(Coral Blaze)」が寒い季節に太陽の光のような暖かみを与える。

センターを取る「サンクラウド(Suncloud)」は、ラディカルな楽観主義やオーラのような輝きをカラーパレットにもたらす。未来に対する楽観を暗示するかのような雰囲気は、「ありのままの営みや自然の彩りへの賛辞」であるとトーマスは指摘する。

おすすめの素材はオーガニックコットン混紡の生地やラフィア、セラミック、ギャバジン、クレープ、およびサテン・ジャージ。伝統的な縫製・製織・染色技術から得た着想を現代の生産方法で再現したコンテンポラリーな生地での展開のほか、ターメリックなど天然由来の染料を使って丁寧に小ロットで染め上げた布など新しい応用も考えられる。

カラー
2025年秋冬
トレンド CAT: 8
Fashion Snoops
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