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サーキュラー、現地生産、カスタマイゼーション。名実ともにサステナブルな最新スニーカーモデル4選

By FashionUnited

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市場調査会社オーガニック・マーケット・リサーチによると、2021年に77億米ドルであった世界のサステナブルスニーカー市場は今後年平均成長率5.7%で推移し2031年には135億米ドルに拡大するという。欧米をはじめ、環境に配慮した責任ある体制で作られたサステナブル製品に対する消費者の意識が世界的に高まりつつある一方、靴製品に関してはサステナブル対応が未成熟であり、例えばスニーカーで言えば原料等の廃棄量削減、再生材および植物や天然物由来の原料使用、使用済み製品の回収システム構築が中心となっている。そんななか、本誌では新たなサステナブルソリューションを提供する2024年春夏新作スニーカー4選を紹介する。

サステナビリティとカスタマイゼーションを実現する組立式スニーカー

「カンペール」の「ロク」

スペインのフットウェアブランド「カンペール(CAMPER)」が発売した「ロク(Roku)」は、画期的な組立て式というコンセプトのもとデザインされたスニーカー。日本のミニマリズムと機能美からインスピレーションを受けた人間工学に基づいたシューズは、交換可能な6つのパーツで構成されている。クッション性のあるフットベッド、柔らかなニットアッパー、3Dソール、シューレース、軽量アウトソールは、製造過程から回収したスクラップや副産物を51%含む素材を原料に使っている。

製品には接着剤を使用していないため、使用したスニーカーは簡単に分解することができる。製品寿命が終わったあとの最終的なリサイクルも容易なうえ、修理や着用者の好みに応じたカスタマイズも可能というスグレものだ。

ますます軽量化進む、再生可能スニーカー

「サロモン」の「インデックス03」

快適さに加えてさらなる軽量化を実現した、「サロモン(SALOMON)」の「インデックス(Index)」シリーズ第3世代「インデックス03(Index.03)」。

最新モデルでは重量の軽い原料を使用したミッドソール、再生ポリエステル100%のタンなど、前世代から大幅に改善が施されている。また、アッパーの加工により効率的なカッティングを採用することで、原料の廃棄率が従来の40%から若干26%まで削減された。また、「インデックス」シリーズの核である“完全リサイクル可能なシューズ”というコンセプトを前世代同様に踏襲し、特徴的な赤いラインより下の部分は熱可塑性ポリウレタン(TPU)を原料に使い、ラインより上の部分はポリエステルを使うという二層構造を採用。これにより、寿命を終えた靴は簡単に分解でき、取り出されたTPUはスキーブーツの製造に再利用され、ポリエステルは生地として生まれ変わる。

使用済み製品の回収も積極的に行う。スニーカーはタン部分にQRコードが付いており、着用者はシューズを使い終わった後コードをスキャンすることで、回収の申し込みや靴を送る際の発送ラベルの印刷ができる。なお、送料は「ソロモン」で負担するという。(日本未発売)

植物由来のプラスチックを使用

「サッカニー」の「ペレグリンRFG」

「サッカニー(SAUCONY)」が展開する「ペレグリン(Peregrine)」のハイキングシューズ。「ランニングを通じて勇気を与えより豊かなライフスタイルを実現させる」という意が込められたRUN FOR GOODを冠するサステナブルなRFGコレクションとして発売されたもので、エタノールを含むサトウキビ・フォームをクッション部分の原料の一部として使い、石油由来プラスチックの消費量削減と快適な履き心地を両立している。さらに、アウトソールには、古くなったタイヤから作られた再生材を50%配合した「オースティン・ラバー(AUSTIN RUBBER)」を採用している。(日本未発売)

「メイド・イン・ヨーロッパ」のサステナブルスニーカー

「ヴェジャ」の「ジ・エーゲン・プロジェクト」

フランス発のスニーカーブランド「ヴェジャ(VEJA)」は、エーゲ海という意味を持つ「ジ・エーゲン・プロジェクト(The Aegean Project)」で、ポルトガルを拠点に同社初の欧州でのスニーカー製造に乗り出した。2005年の創業の以来ブラジルで製品を製造し、世界中で販売してきた同社は、ブラジルやペルー産のオーガニックコットンや、アマゾンから採取されたゴム樹液を原料に使うなどサステナブルなサプライチェーンを構築している。このたびのプロジェクトをきっかけに、同等のサプライチェーンがポルトガルにも誕生した。

2023年には「V-90」シリーズの3色のモデルの製造をポルトガルで開始し、現在までにすでに8万足を製造したという。「V-90」は原料であるレザーのなめし加工をポルトガルの工場で行い、染料の使用量も削減したという。また、スエードのインサートも、イタリアの工房でできるだけ水使用を抑えて有害および禁止薬剤を使わずに加工されたものを使っている。

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