NY「ブルーミングデールズ」のバイヤー が語る、2021秋冬の注目メンズウェアトレンド
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パンデミックによる外出規制や在宅勤務要請が始まって1年余り。ファッションはルームウェア重視からカジュアルなスタイルへと移行する兆しが見え始めている。とは言っても、この秋冬のトレンドは、Beforeコロナとは少し違う。ニューヨークの百貨店「ブルーミングデールズ(Bloomingdale’s)」のジャスティン・バーコウィッツ(Justin Berkowitz)メンズファッション担当ディレクターによると、2021年秋冬シーズンにおいては、ソーシャルライフやオフィスワークが徐々に戻りつつあるなかで消費者の間でファッションに対する新たなコンセプトが出てきているという。
「従来のメンズウェアを長い時間をかけて捉え直した」。バーコウィッツ氏はFashionUnitedの取材にそう答え、「今後中心的になるライフスタイルと同様に、“アウトドア”や“カジュアルなテータリング”がブルーミングデールズのお客様に響くトレンドとなっていくと思われる」と語った。
その話の通り、ブルーミングデールズは今年の後半に向けてラフなルックスやアウトドアにインスピレーションを受けたアイテムを充実させている。いずれのトレンドもポスト・コロナの時代の消費者が指向する、「実用性」「着心地」「スタイル」を反映したものだ。
アウトドア
「昨年、アウトドアは人々にとってレジャーを安全に楽しめる場所になった」とバーコウィッツ氏は指摘。「こうした考えは社会に今年も引き続き定着していくと見られる。そうしたライフスタイルの変化が、ストリートウェアやアウトドアのデザイン性と組み合わさり、“機能”と“ファッション”という全体的な考え方を押し出していく」と同氏は予想している。
こうした傾向は「ストーンアイランド(Stone Island)」「スノーピーク(Snowpeak)」「ザ・ノース・フェイス(The North Face)」をはじめとするアウトドア・ブランドですでに見られている。加えて、「バーバリー(Burberry)」「ディオール(Dior)」「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」「エルメス(Hermès)」 「ジュンヤ ワタナベ(Junya Watanabe)」「 イザベル・マラン(Isabel Marant)」などの新作コレクションでもアウトドア・テイストが盛り込まれているという。
カジュアル・テーラリング
バーコウィッツ氏はまた、「ソフトでスポーツウェアに近い着心地のテイラードのアイテムが登場し、(リラックスしたテーラリングが)カジュアルなライフスタイルへの変化を反映している」という。「在宅・通勤に関わらず、着くずしたスーツや、ニットウェア素材のテーラードのジャケットなどが“定番オフィスルック”になり、正統派のテーラリングとそうでないものの境界線もあいまいになっている」。
これについて同氏は「エルメネジルド ゼニア(Ermenegildo Zegna)」「マウリツィオ バルダサーリ(Maurizio Baldessari)」「シドマッシュボーン(Sid Mashburn)」の新作コレクションを例に挙げている。ほかにも「ビアンカ サンダース(Bianca Saunders)」「バーバリー(Burberry)」「ディオール(Dior)」「エルメス(Hermès)」「ジル サンダー(Jil Sander)」「エス エス デイリー (S.S. Daley)」の2021年秋冬メンズ・ランウェイでもこの傾向が見られているという。
画像: courtesy of Burberry and Jil Sander