これからのショップ店長に求められるスキルとは?
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今秋グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を受け、企業は持続可能な未来に向けてさらなる方針強化を迫られている。一方、ファッション業界で働くプロフェショナル達も各人の知識やスキルを高めていくことでより環境への責任を意識した業界づくりに貢献することができる。こうした状況を踏まえ、今回のFashionUnitedでは、ショップ店長を将来像を解説していく。
店長はスムースな店舗運営のため、仕事の大半が販売活動やチームのマネジメント、管理業務になる。しかし同時に顧客満足やロイヤルティの向上、より魅力的な店舗づくり、あるいはチームのモチベーションアップといったことを実現するには、新たなスキルの習得も必要不可欠だ。
2021年5月に発表された研究「サステナビリティ視点から考える商取引:職業やスキルへの影響(原文はフランス語)」に、未来のショップ店長に求められるスキルが紹介されている。同研究はフランスの小売業界調査会社Observatoire prospectif du commerceがフランスにおける16業種からの依頼を受け、フランス政府と共同で行ったものである。
研究結果は世界的にも通用する内容で、未来のショップ店長に求められる能力について下記の点が言及されている。
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事業における財務・経済的目標と環境目標を一つのものとして捉える
- セルフサービスや廃棄物ゼロ、製品サステナビリティの向上など、環境に関連した新しい顧客体験の開発
- 店舗の環境性能の改善
- 平常時またはイベント、セール期などにおける環境配慮商品の拡充
- 廃棄物ゼロ目標に向けた商品在庫の最適化
- 売れ残り商品の再利用方法の開発
- 小売業界における環境問題および検討し得る代替案に関する知識の習得: 新規制や売れ残り商品の回収、廃棄物ゼロ対策など
- 商品のサステナブルな調達(ラベルおよび認証、ソーシング、追跡可能性、製品の持続可能性、環境への影響など)
- サステナブルな物流管理、物品の配送および保管に係る環境的側面。
- 不良品・売れ残り商品の修復や再利用
上記のいずれに関しても、ショップ店長にとって環境関連の規制や今後予期される規制などに関する知識を深めておくことは必須であろう。
ショップ店長に必要となる新たな研修
さらに同研究では、ファッション業界企業が業界のサステナビリティ向上推進に向けて従業員に対し必要なスキルを習得する機会を提供するため、さらなる研修の実施に加えショップ店長職に関連した以下の4つの研修項目の履修を推奨している。