WhatsApp、小売業界で最も支持される販売員に ― 調査報告
クラウドコミュニケーションプラットフォームのInfobipとコンサルティング会社Retail Economicsの新たな調査により、顧客エンゲージメントにおける「ブロードキャスト型」モデルは、AI主導の対話型リレーションシップへと移行しつつあり、その中でWhatsAppが最有力チャネルとして浮上していることが明らかになった。
同報告書によれば、WhatsAppの開封率は85~95%に達し、Eコマースにおけるメールの開封率32.7%を大きく上回る。量でリーチを稼ぐ従来のプッシュ型チャネルとは異なり、WhatsAppのエンゲージメントは関連性によって促進される。このフォーマットにより、ブランドは単一のスレッド内で顧客を検討段階から購入まで導き、長期にわたって文脈を維持することが可能となる。
この調査結果は、消費者のチャネル選好が世代間で細分化している中で発表された。Retail EconomicsのCEO、リチャード・リム氏は声明で「画一的なコミュニケーションアプローチはもはや通用しない」と述べている。ベビーブーマー世代がメールを好む傾向が2倍高いのに対し、Z世代はチャネルが分散しており、現在24%が配送や返品に関する連絡手段としてWhatsAppやSMSを好んでいる。リム氏は、WhatsAppが全年齢層で一貫したエンゲージメントを示す稀な存在であり、「多様化するデジタル環境において、世代間を繋ぐユニークな架け橋」になっていると指摘した。
大規模な顧客対応の経済性は、もはや成り立たない可能性がある。Infobipの小売スペシャリスト、キム・ジョハル氏は、注文追跡などの定型的な問い合わせをAIが処理する点を指摘し、「我々はもはやコールセンターを構築しているのではない。緊急時の脱出口を備えた意思決定ツリーを構築しているのだ」と語る。その結果、24時間365日対応の販売員のような体験が実現し、わずか60日で投資対効果を証明できる可能性があるとジョハル氏は述べた。
同報告書で引用された業界調査によると、小売業者の88%が対話型AIの導入を検討し始めているが、カスタマージャーニー全体に完全に統合していると回答した企業は一社もなかった。メールの開封率が低下し、消費者の関心が分散する中、研究者らは、現状維持のコストが変革のコストを上回るようになったと主張する。報告書は、メッセージングを一方的な情報発信ボタンとしてではなく、顧客との関係を築くツールとして捉える小売業者が勝者となるだろうと結論付けている。