着用単価（CPW）：ウルトラファストファッションに対抗する新たな経済指標

過去5年ほどの間、環境保護活動家およびファッション業界の専門家は、Shein（シーイン）のポップアップストアがオープンするたびに生じる行列を憂慮の念を持って見守ってきた。このファストファッション大手が引き起こす環境破壊について警鐘を鳴らすキャンペーンや活動も、低価格を主な武器に顧客を引きつける同社の成功に陰りをもたらすには至っていないようだ。金銭的な合理性が、環境保護という大義を上回っているのが現状である。今こそ戦略を転換し、同様の論理を採用すべき時かもしれない。その解決策となりうるのが、「着用単価（Cost per Wear、以下CPW）」という3つの言葉に要約される概念だ。

学術誌『Psychology & Marketing』に10月初旬に掲載されたリサ・エックマンおよびルシア・A・ライシュによる研究は、次のような考えを裏付けている。消費者にいわゆる「サステイナブル」な衣料品の購入を促すには、サステイナビリティへの直接的な訴えを選択するよりも、個人的な（金銭的）利益について語りかける方が効果的である。ここで重要な役割を果たすのがCPWである。

着用単価（CPW）とは何か

CPWとは、衣料品が着用される回数に基づいてその価値を示す指標である。計算方法はシンプルで、衣料品の合計価格を着用回数で割るというものだ。これにより、消費者がその衣料品を1回着用するごとに支払う仮想的な価格が算出される。この価格は、使用頻度が高まるにつれて減少していく。

例えば、ある人物が仕事用の新しいシャツを購入しようとし、少なくとも5年間、週に1回着用する予定だとしよう。オンラインで検索した結果、2つの選択肢が見つかった。ファストファッションブランドの20ユーロのシャツと、より高価格帯のブランドの50ユーロのシャツである。CPWを計算するには、この人物がシャツを年間約50回（週1回）着用すると想定する。安価なシャツは約1年で交換が必要になるのに対し、高価なシャツは少なくとも4年間は持つと仮定する。計算の結果、50ユーロのシャツのCPWは0.25ユーロとなり、20ユーロのシャツの0.40ユーロよりも低くなる。

CPWの算出根拠となる衣料品の寿命をブランドがどのように計算するかについては、素材の耐久性テストによって決定することができる。実際に、一部の衣料品ブランドはすでに自社のウェブサイトでこれらのテスト結果を公表している（フランスのブランドLoomなどがその例として挙げられる）。

CPWは環境への訴求より効果的か

リサ・エックマンおよびルシア・A・ライシュが実施した研究によれば、コミュニケーション戦略としてのCPWの概念は、消費者の嗜好を低価格・低品質の衣料品から、より高価で耐久性のある（つまり高品質な）選択肢へと転換させる上で有効である可能性がある。

両氏は、このコミュニケーションが一般的なサステイナビリティの主張よりも説得力を持つ可能性があると断言する。消費者は、広く蔓延するグリーンウォッシングのために、そうした主張に対してますます懐疑的になっているからだ。

なぜCPWは説得力があるのか。それは、衣料品を購入する際に我々がしばしば自問する「これを何回着るだろうか？」「この価格に見合う価値はあるか？」といった問いに答えるからだ。言い換えれば、我々は無意識のうちに使用回数を問い、その製品の費用対効果分析を試みているのである。

しかし、オンライン、実店舗を問わず、通常の買い物環境では、製品の寿命や使用頻度を考慮する手がかりは提供されない。結果として、これらの側面は容易に見過ごされがちである。このため、高価で高品質な一着ではなく、安価で低品質な衣料品を複数購入することになり、アイテムごとの購入価格の低さが優先されることが多い。

もしブランド、販売業者、あるいはeコマースサイトがCPWを表示すれば、購入の意思決定は大きく異なるものになるだろう。CPWを伝えることは、消費者が高品質な製品の長期的な経済的価値を評価する助けとなる。より頻繁に着用されることで、結果的に購入者の節約につながるからだ。研究者らが、特にCPWが第三者機関による認証を伴う場合に、高品質な選択肢への購入者の嗜好を強化すると結論付けているのはこのためである。

これらの調査結果は、高品質な衣料品の購入を促進し、ファストファッションの消費を抑制したいと考えるマーケティングの専門家および政策立案者の関心を引くはずだ。

CPWの限界

とはいえ、ある商品にCPWが0.30ユーロであると記載されていても、消費者がそれを別の商品のCPWと比較できなければ、影響を与えることはないだろう。したがって、この数値を意味あるものにするための不可欠な条件は、購入者が他の商品と比較できる手段を提供することである。

CPWのもう一つの大きな限界は、ウルトラファストファッションの購入、特にSheinのウェブサイトでの購入が、一度きりの機会での着用を目的とすることが多い点だ。この場合、購入者はそれを複数回着用する意図を特に持っておらず、着用単価が高くなることにも無関心である。

リサ・エックマンおよびルシア・A・ライシュは、その研究でこの見解を裏付けている。「（中略）消費者が特別な機会のために服を購入する場合、CPWを伝えることは品質の高い選択肢への嗜好を高める効果が薄れる。このようなケースでは、より高価で高品質な選択肢の知覚される経済的価値は減少し、その選択肢への嗜好は変わらない。これは、意図された使用頻度が低い場合、経済的価値が重要な決定基準とならないことを示している」。

中古ファッションプラットフォームのVestiaire Collectiveは、数年前からCPWを自社の一般的なコミュニケーションに取り入れ、中古のラグジュアリーアイテムの着用単価がファストファッションの一着よりも低いことを示してきた。同社は独立系企業が実施した調査で、「中古品を購入する方が、新品のファストファッション衣料を購入するよりも長期的には33%手頃である」と結論付けている。

しかし、このデータはあくまでコミュニケーションキャンペーンに関連するものであり、小売戦略に組み込まれているわけではない。CPWは各商品の製品ページには表示されていないが、これは比較の基準を提供する必要が生じるためだろう。前述の通り、単一の商品のCPWを提示するだけでは、消費者にとって十分に意味のある情報とはならない。

いずれにせよ、中古ファッションプラットフォームは消費者を説得するためにCPWという論拠を必要としていないようだ。中古衣料品およびアクセサリーの市場が急拡大していることは周知の事実である。Ipsos（イプソス）の最近の調査によれば、現在、フランス人の過半数が中古ファッションを購入すると回答している。

SheinのCPW

Sheinが発表した「2023年サステイナビリティおよび社会的影響報告書」によれば、「調査対象となった顧客の大多数が、Sheinのアイテムを通常10回以上着用すると回答した」という。サステイナビリティの観点から見れば、この数字はあまりにも低いように思われる。しかし、何十年にもわたってファストファッションとその使い捨て文化によって形成されてきた意識の中では、これはほとんど当たり前のことのようにさえ感じられる。

とはいえ、この中国のプラットフォームでの購入が一度きりの機会に着用されるアイテムを含むことが多い一方で、商品の品質は今やますます重要な購入基準となりつつある。Shein自身もこの点をよく理解している。

同プラットフォームは、ある報告書で「標準化されたテストと顧客からのフィードバックを頼りに、衣料品の品質を継続的に改善するための厳格な目標を採用している」と述べている。

こうした「努力」にもかかわらず、2025年10月のIpsosのデータによれば、現在、フランス国民のほぼ半数（48%）が同ブランドに対して、またその製品の品質（49%）に対して否定的なイメージを抱いている。パリの百貨店BHV Maraisへの進出をめぐる論争が、この状況を好転させる可能性は低いだろう。