インダストリアルデザインがリテールテクノロジーを変革
loading...
テクノロジーは以前、店舗空間のデザインの後に来るものでした。しばしば美観に欠けた販売時点情報管理(POS)端末は、レジカウンターの「必要悪」とみなされていました。ブランド中心の統合された店舗空間を作ることを目指したリテーラーたちは、仕方なくPOSシステムをカウンターの下に隠したり、魅力に欠ける幕でそれを覆ったりして、店員と顧客の間に障壁を設ける結果になっていました。洗練さが見られない店内で、うっとうしく場所を取るハードウェアがカウンターに聳え立っている様子は、店舗の内装デザインとまったく不釣り合いなものでした。
今日では、テクノロジーはカスタマージャーニーの重要な部分を占め、リテール体験は注意深くキュレートされ、POSシステムの産業デザインは店舗のビジョンと雰囲気を映し出したものでなければならなくなっています。
スタイリッシュでモダンなPOS端末 または商品情報ディスプレイには、店舗空間を変革する可能性があります。特別にデザインされたリテールテクノロジーは、レジカウンターでの顧客体験を向上させます。場所を取るみにくいPOS端末の代わりにエレガントなデバイスをレジに並べることでカウンターが生まれ変わり、店内の顧客体験の重要な最終段階が一段と洗練されます。モダンなリテールシステムはインテリアデザイナーのデザインのビジョンを損ねるのでなく、それを反映しています。
「過去25年にわたる私たちの店舗空間のデザイン経験の中で、私たちは環境の中にテクノロジーを隠そうとあらゆる努力をしてきましたが、今ではそれを取り込んで、独自の存在感を与えています。 デザイナーとして、私たちはいつも最もクリーンなソリューションを模索しています…。新世代のテクノロジーによって新たにもたらされるものは、それがユーザーフレンドリーであるというだけでなく、リテールのインテリアの感性をより良い形で補うようにデザインされているという点で、すがすがしいものです。」とBurdifilek代表のPaul Filek氏は語ります。
今日のPOS端末に使用されている素材にはインダストリアルデザインに対する最新の姿勢が反映されています。つや消しアルミニウムが強靭でありながら軽量のシャーシを可能にし、薄型で軽量のコンシューマーデバイスにそっくりな、長年の使用にも耐えられるPOS端末ができあがりました。システムの全プラスチック部品のうち、リサイクル素材としてのプラスチックが今では高い割合を占めており、リテーラーの操業のあらゆる側面におけるサステナビリティへの取り組みの拡大が反映されたものとなっています。
リテールデザイナーの店内ビジョンを実現するため、HPのグローバル主任であるStacy Wolff氏は同社のインダストリアルデザインチームに対して、リテーラーが障壁を取り除き、テクノロジーを最も単純な形に洗練させつつ、レジカウンターで必要とされる機能を備えたPOSデバイスを想像してみるように促しました。その結果生まれた、HP EngageファミリーのAll-in-One端末は、最小限のフットプリント、クリーンでモダンなライン、カラーオプション、カウンター上で配線が絡み合うことのないすっきりとしたフォルムが特徴となっています。HP Engage Goは、カウンターからも店内を移動中にもPOSデバイスを使用したいリテーラーにモバイルオプションを提供します。
店員が持つタブレットから、壁や試着室の商品情報キオスクやレジカウンターのPOSハードウェアまで、今日のリテールハードウェアのデザインはリテールジャーニーの顧客体験を飛躍させます。店内プロセスをサポートするテクノロジーを含むカスタマージャーニーのすべての構成部分の美観に気を配ることの重要性を見過ごしているリテーラーは、店内のリテール体験が損なわれるリスクを犯しています。
筆者について : ドミトリー・ソコロフ氏はHPのグローバルインダストリーストラテジストで、リテール体験の未来の変革について世界のリテーラーやソリューションプロバイダとの協力関係を推し進めています。POS、モビリティ、セルフサービスから分散エッジアーキテクチャまで、HPは常に進化を続けるリテール環境におけるリテーラーの成功を支援しています。