中国製造業、2カ月連続で低迷
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今年10月の中国における製造業の指数が先月に続き再び悪化したことが中国国家統計局の発表データにより判明した。
具体的には購買担当者景気指数(PMI)が49.2となり、9月から0.4ポイント減少したほか、市場予測の49.7よりも下回る結果となった。中国国家統計局の趙慶河氏はこの要因について、「部分的な原料の高騰」や「電力供給量不足」と説明している。
現状大規模企業においてはこれらの影響はなんとか抑えられているものの、中小企業では顕著に業績が低迷している。
落ち込む生産、止まらぬインフレ さらに趙氏は製造業のなかでも繊維・非金属鉱物・鉄類業における落ち込みがより激しく、新規受注指数(NOI)および生産指数が45を下回ったとしている。また上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「今月の中国製造業の指数は指数の発表が始まった2005年以来、2008〜2009年の世界金融危機および2020年2月の新型コロナ感染拡大時を除き最低の基準となった」と述べている。(ロイター)
加えて、張氏は「今月の生産者物価指数については2016年の指数発表開始以来の最高水準となった」ともしており、こうした状況からもおそらく中国経済がすでに景気停滞とインフレが併存するスタグフレーションに陥っていることがわかる。
中国では物価の上昇により先月の生産者物価が記録的な伸びを示した上、需要の低迷がインフレをさらに加速させている。
これに関し、コメルツ銀行(シンガポール)の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏は「生産量は依然として振るわず、需要の問題がかなり大きいことがうかがえる。なんらかの政策緩和がまだ必要だ」と指摘している。