LVMH、サステナビリティ目標 計画前倒しで進捗

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LVMH、サステナビリティ目標 計画前倒しで進捗

by Robyn Turk
2019年10月16日

仏LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton 以下、LVMH)は9月25日 (パリ現地時間)、パリ本社で開催された同社の環境保全活動「LVMH Initiatives For the Environment(LVMH環境のためのイニシアチブ、以下、LIFE)」をテーマとしたイベント(以下、LIFEイベント)で、サステナビリティ目標の進捗状況を報告した。本報告では目標達成は計画を上回るペースで進捗していることが明かされ、また新たな環境および生物多様性保全へのコミットメントも発表された。

LIFEイベントではLVMHの生物多様性保全活動や「エコデザイン」「循環型経済」「エネルギー消費量削減」などに対する目標などが紹介され、加えて動物由来の原料供給に関する新しい憲章なども披露された。

2020年に向けた4目標は達成の見通し

LIFEプログラムは2012年にスタートしたLVMHの環境保全プログラム。2015年からはLVMH傘下の全75ブランドに展開され、翌年には内容も拡充し2020年を達成年とした4目標(「全製品の環境性能向上」「原料調達における最高水準の環境基準の適用」「製造拠点における環境パフォーマンス指標の改善」「二酸化炭素排出量の削減」)を策定した。

今回開催されたLIFEイベントでは2020年を間近に控え、4目標の進捗状況と今後の具体的な方向性が発表された。ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)CEOはイベントで「環境パフォーマンスはイノベーションや創作活動、製品の質向上の原資であり、すべてのデザインおよび製造活動において配慮されなければならない。我々の取り組みの成果は結果を見れば一目瞭然である。今後も引き続き環境への取り組みを進めるとともに、さらなる努力を重ねていく所存だ」とコメントした。

具体的な進捗としては、「2020年までにLVMHの使用エネルギーにおける再生可能エネルギーの割合を30%とする」とした目標に対し、2018年時点ですでに27%を達成しており、目標を上回ることが想定されるほか、二酸化炭素排出量に関しても2020年までの25%の削減目標達成にむけて順調に推移している。廃棄物削減についても2018年には91%の廃棄物がリユース、リサイクルまたはエネルギー利用された。

カーボンフットプリントも改善

LVMHが内部に設立した炭素基金も着実に成果を挙げている。炭素基金では全ブランドがそれぞれ排出した温室効果ガスの量に応じて基金に拠出金を出す仕組みで 、当初拠出金の算出金額は排出1トンあたり15ユーロに設定されていたが、2018年には倍額の30ユーロに増額されており、二酸化炭素の排出量削減への貢献が一層進んでいることを示している。基金に集められた拠出金はカーボンオフセットの手段として一般的な 排出権の購入ではなく、二酸化炭素排出量削減に貢献するプロジェクトに助成金として直接提供される。2018年には112プロジェクトに助成金が提供された。

原料調達については、現在LVMHグループで使用されている皮革のうち48%がLWG認証取得済み製皮業者(環境配慮型の製革業者を認定する国際団体 「Leather Working Group(レザー・ワーキング・グループ)」の認証を受けた業者)からの供給に切り替わっており、2019年には目標の70%に到達する見込みであるほか、社内の製革施設もすでにLWGの認証を取得している。さらに製品製造に使用するダイアモンドについても「責任ある宝飾品業のための協議会(Responsible Jewelry Council)」の認定済みダイアモンドの100%導入という目標に対して、現時点ですでに99%の導入が完了しているという。

LIFEイベントでは今年7月に自身のブランドとLVMHによるパートナーシップを発表したステラ・マッカートニー(Stella McCartney)が来賓として登場。パートナーシップ発表以来初めてとなるLVMHのイベントでスピーチを行い、製品デザインや調達などを通じ業界として環境保全活動を推進していく意気込みを語るとともに、自身が務めるアルノーCEOおよびLVMHの役員に対するサステナビリティ担当特別顧問としての役割について会場の参加者に説明した。また、「ディオール(Dior)」のマリア・グラツィア・キウリ アーティスティックディレクターは前日にパリのロンシャン競馬場で開催されたランウェイショーについて解説し、自然から得た様々なショーのアイデアを紹介した。

LMVHは今後、上記の目標達成に加えて、アマゾン緊急保全活動や環境問題に取り組む学術財団への助成など、持続可能な環境づくりや生物多様性の保全を目的とした新たな取り組みも展開していくという。