メゾン・キツネが中国で現地企業と合弁会社設立
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パリを拠点とし、ファッション・音楽・ライフスタイルなどの分野で事業を展開するメゾン・キツネ(Maison Kitsuné )が中国アパレル企業ジョーワン(JoeOne )と合弁企業を設立した。今後5年間に中国を含む中華圏で新たに50店舗をオープンする予定で、さらなる海外事業の拡大を狙う。
メゾン・キツネは2018年10月に現地企業との連携を基軸にそれまで“未開拓”であったアジア市場の開拓計画を発表している。手始めに韓国・サムスン物産(SAMSUNG C&T )と独占販売契約を締結し同国一号店を新世界百貨店江南店に出店したほか、街路樹通りに240平米を超える大規模な旗艦店をオープンした。この旗艦店にはカフェも入る。
今回の中国合弁会社の設立もこうしたメゾン・キツネのアジア戦略の一環として中国全土の開拓をにらみ実施されたもの。合弁会社の名称は「メゾン・キツネ チャイナ(Maison Kitsuné China Co. Ltd .)」で、中国本土のアパレル販売に加え、香港やマカオの事業運営も担当する。ジョーワンとの出資比率は50%ずつ。
メゾン・キツネと中国企業ジョーワンが合弁企業を設立
メゾン・キツネは香港でもすでに出店を果たしており、同社は「合弁会社の立ち上げにより今後5年間でさらに中華圏で50店舗増やしていきたい」としている。最初の店舗は今年9月に香港・上海・成都で開店が予定されている3店舗になる見通しだ。
合弁会社は販売網の拡大に加え、対小売向けの流通やeコマースも管轄し、シームレスな顧客体験の提供を実現していく。
メゾン・キツネの共同創設者ジルダ・ロアエック(Gildas Loaëc )は合弁会社の設立について「ジョーワンとの合弁会社の設立により、中国での広範なネットワークの構築と事業の加速が期待できる。中国の小売業界やコンシューママーケティングに豊富な経験やノウハウを持つジョーワンは中国の長期的な成長に向けて理想的なパートナー」とコメントしている。
1989年創業のジョーワンは中国で2700店舗を持つ大手紳士服ブランド。2016年にはマルチブランド、オムニチャネル戦略を打ち出して複数のブランドによるファッションプラットフォームを立ち上げ、メゾン・キツネも参画している 。
メゾン・キツネはジルダ・ロアエックと黒木理也が2002年に立ち上げたブランド。ファッション・音楽・カフェなど多様な事業を展開し、2020年にはインドネシア・バリ島でホテルを開業する計画がある。パリ・ニューヨーク・東京・京都・大阪・香港・ホノルル・ソウルに17の直営店を持ち、世界に400以上の販売拠点がある。年間売上高は4000万ユーロを超える。
画像提供: courtesy of Maison Kitsuné