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米国に参入する韓国ファッション

By Kristopher Fraser

2020年2月19日

ファッション |スナップショット

これまでサブカルとして支持されてきた韓国のストリート・ファッションやプレタポルテブランドが、米国メインストリーム市場への参入を進めている。韓国ブランドを愛用する米国人芸能人やソーシャルメディアのインフルエンサーが増えているほか、著名なファッションエディターやバイヤーもソウルファッションウィーク(Seoul Fashion Week )に参加。さらにコスメではすでに韓国ブランドが市場で地位を築いている。

米国で文化やファッションが飛躍的に繁栄した「狂騒の20年代」から100年目を迎え、新しい時代を彩るトレンドやファッションに米国民が関心を高める中、当然のことながら米国におけるK-ファッションの動向にも注目が集まる。実際に、今シーズンのニューヨークファッションウィーク(以下、“NYファッションウィーク)では数多くの韓国ブランドの参加に加え、会期中に開催されたK-ファッションのPRイベント「コンセプトコリア(Concept Korea)」では「ライ(Lie )」「イイセ(Iise )」「Leyii 」が新作コレクションを発表した。

「コンセプトコリア」は韓国人デザイナーの海外進出を支援することを目的とした韓国政府主催のイベントで、2010年より毎年NYファッションウィークに合わせて開催されている。世界的なストリートファッション・ブームや米国の消費者の間で個性的なファッションに対する関心の高まりなど時代の追い風もあり、イベントにより多くの韓国人デザイナーが米国への足がかりを掴んでいる。そのうちの一人、デザイナーのカン・Dは自身のブランド「ディ ナック(D.Gnak)」の米国進出を成功させ、ファッション小売「エッセンス(Ssense)」などを通じて販売を開始した。

米国メインストリームに参入するK-ファッション・ブランド

こうした韓国人デザイナー達のデザインには普遍的な魅力がある。1960年代のロンドンにインスピレーションを得ているという「ライ」のデザイナーのチュン・チュン・リー(Chung Chung Lee)はそのコレクションで大胆で彫刻のようなシルエット、コントラストの利いたフェミニンなライン、1970年代に流行した“ルードボーイ”を彷彿とさせるスタイリングなどを取り入れている。マンハッタンのソーホーに出店する韓国のラグジュアリーブランド「イ・サンボン(Lie Sangbong)」でシニアデザイナーとしての経験を持つリーは、米国人消費者のテイストを理解しているのだ。

今回の「コンセプトコリア」で発表した新作ではオーバーサイズのコートやジャケットなどスポーツウェアをイメージしたアイテムや、「ライ」のシグネチャーであるテーラーリングと個性的な生地の組み合わせを取り入れたブラウスなどを披露。「ライ」独特の色使いや流動的でアーキテクチュアルな構造のテーラリングは、新しい展開のテーラーリングを求める消費者のニーズに対応した実験的なアプローチとしておすすめだ。時代を先取りしたリーのテーラリングは今後トレンドになるだろう。

一方、「Leyii」も今季はスポーツウェアに注目。今後5年間に年平均成長率3.4%で拡大を続けるとされる世界のスポーツウェア市場において「Leyii」も徐々にその存在感を増している。新作ではスポーツウェアを取り入れながらも曲線のラインを足し、大きく波打つケープのコートやウエストを絞ったアシンメトリーなパッファージャケットなどの「Leyii」らしい印象のルックスが際立った。体のラインを引き立たせるデザインはウィメンズファッションにとって欠かせない“あらゆる体型の女性が着こなせる”という要素を抑えた優れものだ。

韓国版ストリートファッションを発信する「イイセ(Iise)」はケヴィン・キム(Kevin Kim)とテレンス・キム(Terrence Kim )が立ち上げたファッション&ライフスタイルブランド。米国生まれのコリアン兄弟コンビが織りなすデザインは米韓それぞれのストリートウェア・ムーブメントの交差点を映し出す。「ストリートウェアの時代は終わる」とする批判的な声とは裏腹に、ストリートファッションは今後10年に新たな進化しそうな兆しを見せている。ファンが増え続ける韓国ストリートウェア・カルチャーは今後ストリートファッション全体が生き残っていくためのキーとなるようだ。

K-ファッションはNYおよび米国全体のファッション市場にますます影響を与え続けることは間違いない。米国のメインストリームに入り込む韓国ブランドの序章が今回「コンセプトコリア」で披露された。

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写真: courtesy of Lecca photography

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