「シャネル」が現状のコレクション発表計画の継続を表明
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「グッチ(Gucci)」がこれまでのシーズンに合わせたコレクションの発表を見直し、年間2回の新作発表計画に踏みきった一方、先般「シャネル(Chanel)」が「春夏」「秋冬」「クルーズ」「クチュール」で構成される現状のコレクション発表スケジュールを継続する意向を表明した。本日オンラインで2021年の「クルーズ」コレクションを発表した「シャネル」のブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)ファッションプレジデントは新型コロナ感染拡大が収まり次第、従来のコレクション発表およびショーの開催計画を再開させる考えであることを明かした。
今回の「クルーズ」コレクションは新型コロナウイルスの感染拡大により公式ウェブサイトでの公開となり、「シャネル」として初のショーを伴わない新作発表となった。コロナ危機をきっかけに競合他社が次々と新しいシステムに移行する中、「シャネル」は従来通りのコレクション発表に戻したい考えだ。
世界でも売上トップクラスの高級ブランド「シャネル」であるが、コロナ危機により各国の店舗が休業になるなど業績に深刻な影響が出ている。店舗が開いている韓国、台湾、香港などでは好調であるものの、全体的には売上は二桁まで減少するのではと想定されている。
店舗休業を受け、「シャネル」は店舗における春のコレクションの販売を延期した。昨年12月に発表され5月に店舗展開が予定されていた「メティエダール(Métiers d'Art)」ラインの新作も店舗納入時期を7月へと後ろ倒しにしている。プレ・フォールについては7月から9月にかけて徐々に納入するとしている。
オートクチュールに関しても、ブランド各社の多くが7月上旬に開催予定の「パリ・クチュール・ウィーク(Paris Couture Week)」で発表予定であったオートクチュール・コレクションをキャンセルする中、シャネルはヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)アーティスティックディレクターによる新作のスケッチを使ったバーシャル・ショーを7月7日に開催する見通しとなっている。さらに今年10月開催の「パリ・ファッションウィーク」についても、2024年のパリ・オリンピックを控え大幅改修が予定されているグラン・パレ (Grand Palais)での「シャネル」による最後のショーになることから計画通りの実施を希望している。
フランスの「シャネル」では同国のロックダウン が解除された5月11日より半数の社員が業務に復帰している。大規模なECへの投資をする計画はいまのところなく、「シャネル」店舗販売を通じた顧客対応に注力している。
写真: Chanel.comより転載