中国で人気「ネコ向け」漢服

リュウリュウはデザイナーにとっての夢のモデル、女神（ミューズ） だ。彼女はフィティングに何時間かかろうと、オートクチュールやデザイナーズのドレスを着たまま長い撮影に付き合わされようと機嫌を損ねたりしない。そしてその正体は猫である。

リュウリュウの飼い主、秋喬（チュウ・チャオ）さんはペットのイヌやネコ用の「漢服」と呼ばれる中国の伝統的な衣装のデザイナー。ペット用漢服は高いものでは一着あたり500元（約7700円）で売れるという。

コピーエディターの仕事を辞めた後、26歳で湖南省・長沙市にあるアパートでパステルカラーのシフォン生地に刺繍やビーズ、フリルや様々な模様をあしらったペット用漢服の制作を始めた。作った商品はネットで販売する。

リュウリュウはさっそうと漢服を着こなす。最近中国で若い世代に人気の漢民族の民族衣装である漢服が、ネコやイヌ用の漢服の登場でペットの飼い主の間でも注目を集めている。

「常連さんの中にはもう全商品を買われていて、いつも新作はないのかと尋ねてくる方もいます」と秋さん は話す。

ペット用漢服づくりは自身が愛猫に合う服探しに苦労した経験から思いついたものだ。

ペットのドレスに古風なスタイルを取り入れるという彼女のアイデアは他の飼い主にも響いた。

彼女のオンラインショッップでは毎月1000着ほどのペット用漢服が売れており、要望に答えて新作商品も定期的に入れるようにしているという。「漢服は歴史の遺産であり、とても美しいものだと思います。（ペット用漢服があれば）伝統的な文化に関心のある方や漢服を楽しむ若い世代が自分たちのお気に入りの服をペットにも着せることができるのです。」と彼女は話している。（AFP）

写真クレジット: Noel Celis/AFP