ゼンデイヤとシンディソ・クマロがグリーン・カーペット・ファッション・アワーズを受賞

ファッション業界において社会的な貢献やサステナビリティを推進する取り組みを行った個人やブランドを表彰する「グリーン・カーペット・ファッション・アワーズ（Green Carpet Fashion Awards、以下GCFA）」が今週土曜、2020年の授賞式をオンラインで実施し、南アフリカ出身のデザイナー、シンディソ・クマロ（Sindiso Khumalo）や女優のゼンデイヤ（Zendaya）ら授賞者を発表した。シンディソ・クマロは2020年の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ（LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE）」のファイナリストにも選ばれている。

授賞式はイタリア・ファッション協会（Fashion Channel by Camera Nazionale della Moda Italiana、以下CNMI）がサステナビリティ戦略のコンサルティングを行う「エコ・エイジ（Eco-Age）」とのコラボレーションにより主催し、YouTubeのファッションチャンネルで配信された。同授賞式は従来対面式で行われており、デジタル開催は今回が初。

Header 2GCFA の受賞者5名を発表

サステナビリティや人種差別などについて先駆的な貢献をした個人に贈られる「GCFAビジョナリーアワード」には、女優で今年エミー賞を獲得したゼンデイヤが選ばれた。ゼンデイヤは自身の「女優としての活動やファッションブランドとのコラボレーションがそれまで注目されることのなかった人々にファッション業界への門戸を開き、声を与えた」として、授賞となった。

アワードの共同主催者であるエコ・エイジのリヴィア・ファース（Livia Firth）クリエイティブ・ディレクターは「GCFAは自分が住む世界をより正確に社会に反映させたいというゼンデイヤの目標に敬意を表し、賞賛している。2019の“トミー ヒルフィガー（Tommy Hilfiger）”のショーでブランド初のプラスサイズのモデルを起用し、ファッション誌『インスタイル（InStyle）』9月号の表紙を黒人のみのスタッフと制作するなど、彼女は黒人コミュニティの中で先駆的な活動を展開し、若い世代や将来の世代を牽引する存在となっている」とコメントしている。

また、サステナブルファッションを追求する独立系デザイナーを表彰する「GCFA ベスト・インディペンデント・デザイナー・アワード（GCFA Best Independent Designer Award）」は南アフリカのケープタウンを拠点とし、サステナブル素材を使用したコレクションの制作や貧困問題解消に向けた取り組みを行うシンディソ・クマロ（下部写真）が受賞した。

Header 2今年度のGCFAはゼンデイヤ、シンディソ・クマロらが受賞

「CNMIレスポンシブル・ディスラプション・アワード（CNMI Responsible Disruption Award）」はイタリアの「プロジェット・クイッド（Progetto Quid）」が受賞。同賞はファッション業界の古い事業体制を断ち切り、トランスフォーメーションを推進するブランドに贈られる賞。「プロジェット・クイッド」は生産過程で残った生地から洋服づくりを行うとともに、女性を中心に働き口のない人々に雇用機会を提供している。発足から7年の間に142人を採用し、このうち70％が経済的に不安定な女性達となっている。

業界において特に優れたリーダーシップを発揮した組織や個人を表彰する「GCFAノース・スター・アワード（GCFA North Star Award）」は 貧困や不平等、気候変動、環境悪化、平和と正義など世界的な課題解決のための持続可能開発目標（SDGs）を採択した国際連合（The United Nations）に贈られた。

ミネラルウォーターブランド「サンペレグリノ」後援の「GCFA アート・オブ・クラフツマンシップ・アワード（Art of Craftsmanship Award）」はイタリアのファッション業界を支える職人達に贈られた。授賞の理由についてCNMIおよびエコ・エイジは「“ファッションの手形”であるイタリアの何千人もの職人達はいろいろな意味でイタリアの国を織りなしてきた。イタリア中の職人達はこの国のファッションがこれからも生き存えるための知識を我々に授けてくれている。世代を超えて受け継がれてきたものづくりや繊細な手入れの技法は今我々が生きる転換期の中で進化しつづけている」とコメントしている。

メイン画像: ゼンデイヤ , courtesy of GCFA