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「フルラ」、ロックダウンからの復活のシナリオ

By Isabella Naef

2021年4月12日

ファッション

ミラノ- 新型コロナウイルスのワクチン接種が広がり、最悪の事態からの出口が見え始めるなか、ファッション企業はどのようにパンデミックを克服し、ポストコロナ後のリカバリーに向けた戦略を立てていくべきか。Eコマースで得た大きな成果を活用しながら、いかに販売活動の立て直しを図るか。FashionUnitedがこうした質問を投げかけたのは、1927年に創業し世界的にも知られるイタリアの伝統的なブランド「フルラ(Furla)」のマウロ・サバティーニ(Mauro Sabatini) CEO。1月にCEOに就任したばかりのサバティーニCEOは、同社に業界戦略パートナーとして18年間在籍し、サプライチェーンでの豊富な経験と海外事業の深い見識を持つ。「オムニチャンネル」「顧客体験」「フットウェア部門の強化」など、2019年に連結売上高5億2百万ユーロを記録した同社には、復活に向けた次の切り札が目白押しだ。

昨年を振り返った感想は? 2021年の見通しやパンデミックから回復基調にある市場について教えて欲しい。

昨年は事業が大きく混乱した年であった。すべてのブランドが新型コロナ危機や各国政府の感染予防対策の影響を受けた。過去4、5年間小売中心でやってきたため、もちろん昨年は業界他社同様に売上高が二桁規模で下落した。パンデミックによりファッション業界は大きく打撃を受け、勝ち組と負け組の格差も加速された。2021年は業界にとって移行の年となり、その動向はワクチン接種の進展具合と密接に関連していくだろう。(復興市場としては)現在中国などでは回復基調にあるが、基本的にはまだ2022年に向けてのスタート地点にいるような状況だと思う。今はどのブランドも独自の事業モデルを作っていかなければならない段階にある。「フルラ」に関して言えば、我々には大変イタリアらしいDNAがあり、今までも、これからもイノベーションを重ねてフレキシブルで敏捷性のある組織であるというのが我々の事業モデルだ。

ファッション業界全体でEC事業が急速に伸びているが、「フルラ」ではどうか?

「フルラ」の戦略領域の一つであるデジタル分野の2020年の売上は通期で前年比36%増となり、さらに第4四半期では前年比54%増と大変大きく成長した。手持ちの数字では現在グローバルEC事業の49%を占めるEMEAでの伸びが最も大きく、昨年の通期売上は2019年より60%拡大、第4四半期単体で前年の約2倍(前年比99%増)を記録した。このことから言えるのは、小売は進化する必要があるものの、消えることはなく、主要領域におけるポジショニングの獲得や適切な店舗規模・物流を通したエンゲージメントや顧客体験の提供が求められているということである。規模については「フルラ」の店舗サイズは適切だと考えている。

最も収益性の高い市場は?

売上全体に占める割合別に見るとEMEAが最も高く売上の40.5%を占め、次いで日本とアジア太平洋地域がそれぞれ24.9%、27.6%となっている。米国の割合は7%と、現在は売り上げが低い市場となっている。

環境や社会面におけるサステナビリティが注目されているが、「フルラ」での取り組みは?

「フルラ」にとってサステナビリティは価値の一つであり、2017年よりサプライチェーンにおける取り組みを展開している。サステナビリティは会社全体の社会的責任の一環として中心的なテーマであり、この領域において当社はイタリアにデザイン、研究開発、研修拠点を設置し、現地に投資を行なっている。本拠点は「Furla Progetto Italia」と呼ばれ、フィレンツェにあるタヴァルネッレ・ヴァル・ディ・ペーザのキャンティ地区の中心部に所在し、「フルラ」のイタリアのルーツと大切な伝統、物づくりにおける卓越性を称賛したものである。

また、本拠点により、クリエイティビティや製品研究体制が強化され、最高レベルのイノベーションと品質を提供することが可能となる。

This article was originally published on FashionUnited.IT, translated and edited to English.

写真: Mauro Sabatini; a Furla shop, from the Furla press office