トレンドは「着心地」:在宅ワークで変わる、最新パンツスタイル
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スウェットパンツはまだまだ手放せない、少なくとも完全には。各国でソーシャルディスタンスやマスク着用などの制限緩和が徐々に進み、ビフォー・コロナの日常への回帰が見え始めているが、消費者の間ではロックダウン以降馴染みとなった着心地のよいラウンジウェア人気が継続しそうだ。
「着心地は昨年から消費者の間で重要な条件になっており、その傾向は今後もしばらく続く」と指摘するのは米ファッション情報検索サイト「ShopStyle (ショップスタイル)」のアリソン・スティーフェル(Alison Stiefel)ゼネラルマネージャー。
同氏は、「(コロナ禍で)全身を着飾る必要性がもはやなくなった」と言う。「オンライン会議が普及し、消費者はヘア・アクセサリーやブラウスなどウエストから上の商品をより選ぶようになり、ボトムスはラウンジウェアまかせというのが現状となっている」。
一方、英国のファッション関連データ会社「Edited(エディテット)」が発表した調査によると、対象企業の2021年第一四半期の新商品のうちスウェットパンツやレギンスなどのラウンジウェアの割合は前年比で34%増となったほか、売り切り商品別でも64%拡大したという。
普通の日常が戻ろうとしている今、消費者が求めるのはスウェットパンツの着心地をキープしつつもスタイルを追求したルックス。そのため、デイリーに着こなせる快適なフィットのアイテムがイマドキの旬なパンツスタイルのトレンドだ。(「ShopStyle」)
「人々は引き続き快適さを重要視しながらもファッション性をパンツに求めるようになる。当社の検索サイトでもすでにカーゴ・パンツや柄物パンツ、オーバーサイズのDADパンツ、トラックパンツのほか、新しいレギンスのスタイルやジョガーパンツなどの検索ワードが増えており、今秋に向けてこうした商品の人気がどんどん上昇すると見ている」。(「ShopStyle」のスティーフェル=ゼネラルマネージャー)
2021年秋はラウンジウェアにインスパイアされたルックスがトレンドに
スティーフェル氏はまた、「今秋ブレイクするのはセットアップのスタイルやカッティングの入ったシルエット、ビロード素材のもの」と説明している。
スウェットパンツの影響はすでにデイリーなパンツスタイルにも見られている。ウエストを紐で絞って調節するドローストリングタイプや動きやすい素材のパンツの売れ行きが好調であるほか、デニムでもローライズやワイドレッグがハイウエストやスキニーを超える人気を博している。
オンライン専業のアパレルブランド「エバーレーン(Everlane)」は「イージー・ボトムス(Easy Bottoms)」というパンツのラインを展開する。デニムやチノパン、コットンパンツなどがあり、すべてウエスト部分にゴム紐を使い楽に着られるデザインとなっている。さらに別の新しく発売されたラインでも、同様にゴム紐のウエストを使用に洗練されたルックスを取り入れたペーパーバッグパンツが登場した。
「スウェットパンツやレギンスは今後もパンツスタイルに影響を与えていく」とスティーフェル氏は話す。加えて「普段使いでもドレスアップしたい時にも使えるスプリットヘム(裾部分にスリットが入ったデザイン)のレギンスのような、快適で多機能なパンツが今後は注目される。そうしたアイテムはデイタイムにはスニーカー、夜はハイヒールとアクセサリーを合わせるなど1日中いつでも簡単に着こなせる。今秋頃には出社を解禁すると発表した企業も出ており、仕事でも使えて着心地のよいアイテムへのニーズが高まると思われる」としている。
画像提供:Everlane