自然と調和する職人技:フェンディがトスカーナの新工場でメンズウエア新作ショーを開催
loading...
15日夜、「フェンディ(FENDI)」の2024年秋冬メンズコレクションのショーが同社のイタリアの新工場で開催された。
バッグ製造を行う新工場はフィレンツェから車で40分ほどの場所にあるトスカーナ地方のカパヌッチアに位置する。なお、フィレンツェでは今週、メンズ見本市「ピッティ・ウオモ(Pitti Uomo)」も開催されている。
ハンマーやスプレーガン、ミシンの音が響き渡る工場で、単調な低音のテクノビートをバッグに白いコートを着たモデルたちがゲストの前を活歩していく。ショーではまた、作業場以外にも工場内の廊下でもキャットウォークが披露された。
細部にまでわたるクラフツマンシップ
新作は“ものづくり”がキーワードといってもいいほど、ワークウエア関連のアイテムが大半を占めた。巻き尺やツールベルトをあしらったレザーウエアや、作業着風の素材にプリントを施したセットアップ、パターンプリントのコートのほか、コーヒーカップフォルダーにもなるバッグなど通勤に便利そうなアイテムが登場した。
さらにトスカーナの自然環境をインスピレーションに、樹皮を思わせる質感のバッグやトスカーナ地方の花を刺繍したシャツ&パンツもお目見えした。緑・茶・ベージュで構成されたカラーパレットも、イタリアの風景とよく調査している。
イタリアのデザインと日本の建築の融合
アクセサリーコレクションでは、建築家の隈研吾氏とコラボレーションした「バゲット ソフト トランク(Baguette Soft Trunk)」や「ピーカブー」バッグが登場。素材には和欄紙や竹、シラカバ樹皮、トスカーナのオリーブの木など天然素材が使われている。
コラボレーションについて「フェンディ」は「隈研吾氏とのパートナーシップはフェンディと建築のみならず、(隈氏という)もう一人のデザイナーおよび彼の芸術文化的素材の選択との対話でもある」とコメントしている。
また、ショーの終わりには、仕事を終えた職人たちがシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)アーティスティックディレクターのあとについて観客の前に現れるシーンもあった。