「オールバーズ」がネット・ゼロカーボンの靴を披露　世界初

サステナブルな靴で知られる「オールバーズ（ALLBIRDS）」は、世界初のネット・ゼロカーボンのシューズ「M0.0NSHOT（ムーンショット）」のプロトタイプを発表した。ハイトップのスニーカータイプの靴で、業界内でのネット・ゼロカーボン・シューズの普及を目的に、原料や製造および廃棄の方法などをまとめた冊子も合わせて公開された。

一般的なシューズのカーボンフットプリント（商品のライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量）は、一足あたり平均14kgCO₂eといわれている。これに対し「M0.0NSHOT」は、製造工程やサプライチェーンなどを見直すことで、一過性のカーボンオフセット（炭素相殺）に頼ることなくフットプリントが0.0kgCO₂eとなるように設計されている。

同社が近年培ってきたノウハウを活かして開発された「M0.0NSHOT」は、ミッドソールに業界で一般的な合成素材の代替としてサトウキビ由来の「スーパーライトフォーム」を使用。加えて、アッパーやアイレットにも、再生型農業で調達されたメリノウールや、微生物を使って羊などのゲップに含まれるメタンをもとに生成されたバイオプラスチック製のアイレットを採用している。

発売は2024年となる見込み。輸送時の重量とスペースを軽減するため、商品はサトウキビを原料としたポリエチレンの真空包装で販売する。

製品開発のノウハウを公開

「M0.0NSHOT」はデンマーク・コペンハーゲンで開催された「グローバル・ファッション・サミット（Global Fashion Summit）」で初公開された。会場では「オールバーズ」のティム・ブラウン（Tim Brown）共同創業者が登壇し、シューズの原料、製造工程、輸送、廃棄、カーボンフットプリント計算などの各工程を詳細に説明した。

なお、シューズは今後ロンドンの百貨店「セルフリッジ（Selfridges）」で7月3日〜8月6日までの期間開催される「オールバーズ」のポップアップ・ストアで限定公開される。