メタバースは自己表現の場〜ロブロックス最新レポート

メタバースのゲームプラットフォーム、ロブロックス（Roblox）は月間利用者が平均2億人（2023年10月現在）を超え、収益性の高い人気の主力デジタル・プラットフォームとなっている。

ロブロックスでは、Z世代を中心とする定期的なメタバースを利用者の行動に関する広範な知見を得ることを目的に利用者調査を定期的に実施し、レポートにまとめている。このほどロブロックスは、「2023年版デジタル表現、ファッション&ビューティ・トレンド（2023 Digital Expression, Fashion and Beauty Trends）」を発行し、メタバースでの利用者の意識全般やデジタルな空間での自己表現方法についての最新調査結果を公開した。

調査では、米国と英国に居住するZ世代のロブロックス利用者約1,500人を対象に行動分析およびアンケート調査を実施。その結果、昨年の調査に引き続き回答者がメタバースにおいて「自分らしさの表現」に重きを置いていることが浮き彫りとなった。この実態は引き続き上昇傾向にあり、昨年の調査では「アバターのコーディネートのほうがリアルの世界で着飾るよりも重要」と答えた回答者は42%であったが、今回調査では56%に増加した。

さらに、デジタルファッションの重要性についても意識が高まりつつある。調査では84%の回答者がデジタルファッションについて「どちらかといえば重要」と回答したうえ、85%が「過去1年間でデジタルファッションの重要性がいくらか高まっている」と答え、「非常に重要性が高まった」とした回答も半数近くに上った。

ブランドへの示唆

こうした状況のなか、ファッションブランドにとっては次々に関心が変化するZ世代がメタバース利用時に何を求めているかを引き続き把握していくことが重要となる。調査では、認知度の高いブランドによるデジタルファッションを身につけることの重要性に関する質問で、4人に3人が「どちらかといえば重要」と回答し、またそのうちの47%は「かなり重要」または「非常に重要」と答えており、回答者の多くがアバター用アイテムの購入においてブランド認知を重視していることが判明した。

同様に、リアルな世界とデジタルな世界で連動したファッションアイテムに対するニーズも示唆された。「メタバースでファッションブランドに期待するもの」について回答者に質問したところ、トップは「リアルの世界とデジタルの世界の両方で着用できる連動アイテム」（43%）であった。加えて、「バーチャル空間で着用したアイテムのリアルな世界での購入を検討するか」とした質問については、84%が「どちらかといえばそう思う」と答え、50％が「かなりそう思う」または「非常にそう思う」と答えている。