記事の著者 Rachel Douglass
2025年 英国ファッション業界:変革の一年を振り返る
BoohooからDebenhamsへのリブランディング、新たな専門ファッションコングロマリットの誕生、そしてかつての人気ブランドの復活劇など、2025年は英国ファッション業界にとって決定的な一年となった。大きな地殻変動が進行中であり、多くの企業にとって今年が新たな始まりとなるだろう。本稿では、業界における特に注目すべき再編や変化、そしてその現在地を概観する。 買収と合併:新グループの形成から所有権の奪還まで 今年の買収劇は、Moriによる初の企業買収からMatchesの買収に伴う新たなラグジュアリーグループの形成に至るまで、特定市場での地位強化を目指す新グループの設立が大きな特徴であった。 • カーライル、The Very Groupを買収:VeryおよびLittlewoodsの親会社...
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Lystによる2025年ファッショントレンドまとめ:ミュウミュウが首位を独走、Labubuチャームとビーチサンダルが急浮上
ファッション検索エンジンLystの「Year in Fashion」レポートは、ファッション界で最も影響力のある動向を示す決定的な指標となっている。2025年の業界は、賛否両論を呼ぶトレンド、激しい論争、そしてアクセシビリティ向上への強い希求によって形成された。 Lystのデータにおいて、総合的に見て議論の余地なく首位に立ったのは、プラダの「コケティッシュな妹」と評されるミュウミュウであった。このイタリアのブランドは、3年連続でトップブランドの座を確保した。これは、過去3年間で世界的な需要が138%という驚異的な増加を遂げたことに支えられている。Lystによれば、ミュウミュウの成功は、ラグジュアリーのシリアスな側面とは対照的な、遊び心と奇抜さに満ちたアプローチに起因するという。それでい...
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ルルレモンに物言う株主、10億ドル規模の株式取得か
物言う株主(アクティビスト)が、カナダ発のアスレジャーブランド、ルルレモンの株式を10億ドル以上取得したと見られる。 ロイターの情報筋によれば、エリオット・インベストメント・マネジメントは、現在空席となっている経営トップの座を視野に入れ、ラルフローレンの元幹部であるジェーン・ニールセン氏と連携している模様だ。 FashionUnitedはルルレモンおよびエリオット・インベストメント・マネジメントに対し、コメントを求めている。 この報道は、ルルレモンで長年CEOを務めてきたカルバン・マクドナルド氏が、2026年1月31日までに退任する意向を発表した直後のことである。 同氏の退任は、ブランドの業績が低迷する中で決定された。特に創業者のチップ・ウィルソン氏は、ブランドには新たなスキルが必要だ...
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トミー ヒルフィガー、スピンノバのコンソーシアムに参画
米国のプレミアムブランドであるトミー ヒルフィガーが、Fashion for Goodの支援を受けるフィンランドの繊維テクノロジー企業、スピンノバの新たなパートナーとなった。 同社はスピンノバのコンソーシアムに参画した。このコンソーシアムは、スピンノバが今年初めに導入したモデルであり、主力繊維の供給規模拡大に向けたファッションブランドの取り組みを後押しするものである。 スピンノバと名付けられたこのテキスタイルは、木材パルプや廃棄物を原料とし、化学薬品を使用しないプロセスを経て、生分解性およびリサイクル可能な繊維となる。 プレスリリースによれば、スピンノバとの提携により、トミー ヒルフィガーはこの繊維へのアクセスが可能となり、様々な製品カテゴリーにおいて同素材の活用を拡大していく方針であ...
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Lotto、北米市場で新ライフスタイルアパレルライセンス契約を締結
イタリア発スポーツブランドLottoの親会社であるWHP Globalは、新たなライセンス契約を締結した。同ブランドにとって「北米市場における過去最大規模のファッション再始動」となる。 今回の契約相手はPure Cotton Global Groupで、米国およびカナダ全域でライフスタイルアパレルラインのデザイン、製造、流通を担う。 第一弾として、ストリートウェアに焦点を当てたカプセルコレクションがすでにLottoのECサイトで販売中である。トラックジャケット、ジョガーパンツ、Tシャツなど、Lottoのサッカーヘリテージを現代的に再解釈したアイテムが揃う。 さらに、2026年を通じてスペシャリティストア、スポーツ用品店、百貨店との小売パートナーシップを通じ、北米全域での展開を拡大してい...
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2026年1-2月 イギリス開催の主要アパレル・テキスタイル展示会ガイド
新年を迎えるにあたり、バイヤー、メーカー、ブランド各社は来たる買い付けシーズンに向けた準備を進めている。展示会スケジュールは常に変動しており、英国で開催される見本市を把握するのは容易ではない。そこでFashionUnitedでは、ロンドンをはじめ英国各地で開催予定の注目展示会をまとめた。 1月13〜14日:The London Textile Fair(ロンドン) The London Textile Fair(TLTF)は、イズリントンのBusiness Design Centreで開催されるB2Bソーシング・プラットフォームであり、メーカーやサプライヤーとファッションブランドをつなぐ場として機能している。前回開催時には、生地、付属品、プリントデザイン、ヴィンテージ、製品の各カテゴリ...
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Ganni、経営陣を強化──3名の新リーダーを任命
Ganniが新たな成長フェーズに踏み出す。デンマーク発のファッションブランドである同社は、経営陣に3名のシニアリーダーを新たに迎え入れた。各人がそれぞれの部門で重要な役割を担う。 マルセロ・ノスケーゼは、アメリカ地域プレジデントに就任した。プラダ・グループのアメリカ事業でCEOを務めた経歴を持つノスケーゼは、ニューヨークを拠点に同地域のリテール、ホールセール、eコマースを統括する。 また、マリー・ヴァロがパリを拠点にコミュニケーション&PRエグゼクティブ・ディレクターに就任した。ヴァロは直近までバルマンのグローバルPRディレクターを務めており、その経験を活かしてGanniのグローバルな認知度向上に取り組む。 さらに、ギヨーム・ダケがマーケティング&イメージ・エグゼクティブ・ディレクター...
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リック・オウエンス、毛皮使用禁止を決定
Coalition to Abolish the Fur Trade(CAFT、毛皮取引廃止連合)がリック・オウエンスに対する抗議キャンペーンを開始してからわずか数日後、同団体は米国人デザイナーのリック・オウエンスが今後のコレクションでファーを使用しないことを約束したと発表した。 オウエンスはパリを拠点とする事業会社Owenscorpとともに、CAFTへのメールで「過去10年にわたり、製造工程におけるファーの使用削減と最終的な廃止に向けて取り組んできた」と説明した。 「今後、ファー製品の生産は行わない」と声明で述べており、この内容は現在ブランドの公式ウェブサイトにも掲載されている。 CAFTによれば、リック・オウエンスのオンラインストアでは、販売していたミンクおよびビーバーファーのハン...
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仏老舗紳士服ブランド Fursac、クリエイティブ・ディレクターが5年の任期を経て退任
ゴーティエ・ボルサレロが、SMCPグループ傘下のフランス発のブランド、Fursac からの退任を発表した。同氏は5年間にわたりクリエイティブ・ディレクターを務めてきた。ボルサレロは自身のInstagramで退任を明らかにし、「クリエイティブ面でも仕事面でも、非常に意義深い時間だった」と述べている。 Fursacは上質な生地と縫製に力を入れる1973年にパリで生まれた紳士服ブランドだ。ボルサレロが加入してから、同ブランドは現代的なデザインとビンテージが融合されたデザインを提案してきた。 同投稿の中でボルサレロは、Fursac での在任期間を特徴づけたのは、パリを拠点とする同ブランドが公式ファッションウィークのカレンダーに参加したことだったと振り返った。この動きは、彼が就任してわずか1シー...
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ハースト・マガジンズ、全媒体で動物性毛皮の宣伝禁止を表明
メディア出版グループであるハースト・マガジンズは、同社が運営するすべてのプラットフォームにおいて、動物性毛皮の宣伝を行わない方針を明らかにした。この動きは、動物愛護団体「Coalition to Abolish the Fur Trade(以下CAFT)」に送られたメールで確認され、その後、同社ウェブサイトのサステイナビリティに関するセクションで詳細が公表された。 CAFTのコミュニケーション担当副社長アリソン・キーン宛てに送られ、FashionUnitedにも共有されたメールの中で、ハースト社は次のように述べている。「当社が完全所有するグローバルブランドのポートフォリオ全体において、ハースト・マガジンズは編集コンテンツおよび広告における動物性毛皮の宣伝を禁止する。(当社のガイドライン...
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